デンソー・JERAの水素製造技術開発に350億円、経産省が支援

SOEC設備コストを2032年に6.8万円/kW以下へ

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年2月20日 (金曜) 10:00

デンソーとJERAのSOEC開発に最大約350億円を支援

 経済産業省は、水素製造のエネルギー効率を高める「SOEC(固体酸化物形水電解装置)注1」を共同開発する株式会社デンソー(以下、デンソー)と株式会社JERA(以下、JERA)を支援する。国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)を通じ、最大で約350億円を助成する。これを受け、両社はSOECの大型化などにより、2032年までに設備コストを6.8万円/kW以下にすることを目指す。NEDOが2026年2月17日に発表した。

図1 デンソーとJERAが共同開発するSOECシステムの概要


出所 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構、「排熱を利用した高効率水素製造技術の開発・技術実証」

SOECを大型化・モジュール化し実証

 今回、経済産業省は、グリーンイノベーション基金事業の「再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造」プロジェクトで、デンソーとJERAの「排熱を利用した高効率水素製造技術の開発・技術実証 」事業を採択した。

 両社の事業では、排熱を利用するSOECを大型化、モジュール化するための技術と、排熱源に合わせてSOECを最適運用するシステムを開発する。その後、開発した水電解モジュールを連結させた、数十MW規模の大型SOECを用いて実証を行う。実証では、SOECに併設される工場や発電所といった熱供給側の設備利用も含めて運用方法を最適化し、需要とも連携した効率的なシステム運用方法の確立を目指す。

 事業期間は2025年度~2032年度の8年間。事業規模は約460億円で、このうち両社への支援額は最大で約350億円。ただし、研究開発段階と実証段階との間にステージゲート審査を設定しており、研究開発段階の進捗を評価して継続可否を判断する。これに合わせ、当初の契約期間はステージゲート審査を実施するまでの3年程度で、交付の上限額は約81億円となっている。

 日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2050年までに温室効果ガス(GHG)の排出量を全体としてゼロにする目標を掲げている。この目標を実現するため、経済産業省はNEDOに総額2兆円の基金を造成し、グリーンイノベーション基金事業を立ち上げた。同事業では、カーボンニュートラルにつながる企業の研究開発・実証から社会実装までを最長10年間継続して支援しており、これまでアルカリ型水電解方式、PEM型水電解方式の技術開発を進めてきた。


注1:SOEC(固体酸化物形水電解装置):固体酸化物形電解セルを用いて、水蒸気から水素と酸素を製造する装置。水の電気分解に工場などで排出される外部の熱を利用でき、エネルギー利用効率が高い。

参考サイト

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 ニュースリリース 2026年2月17日、「グリーンイノベーション基金事業で新たにSOECの大型化や脱炭素化実証に着手します」
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構、「排熱を利用した高効率水素製造技術の開発・技術実証」

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