都市の再エネ不足をAIで解決、アイ・グリッドが堺市に余剰電力供給

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年3月3日 (火曜) 15:02

分散する余剰電力を活用し再エネ適地不足を解決へ

 株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ(以下、アイ・グリッド)は、大阪府堺市にある複数の民間施設に導入された太陽光発電設備の余剰電力を集約し、堺市役所本庁舎へ供給する取り組みを本格的に開始した(図1)。AI技術を活用したアグリゲーション技術注1により、地域内で発生した余剰電力を効率的に循環させるという。再生可能エネルギー(再エネ)の適地が少ないという都市部の課題を解決するのが狙い。2026年2月26日に発表した

図1 堺市における余剰電力アグリゲーションによる電力供給の仕組み

出所 株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ UPDATES 2026年2月26日、「アイ・グリッド・ソリューションズアグリゲーターとして大阪府堺市への余剰電力供給を本格始動」

年320万kWhの余剰電力量を供給へ

 アイ・グリッドはこれまで、全国46都府県のスーパーや工場の屋根に1300カ所以上の太陽光発電設備を設置してきた。これらの施設で使い切れない余剰電力や施設ごとの需要量を解析・調整することで、余剰電力を他施設に融通する取り組みを進めている。

 今回の取り組みは、同市の「堺市役所本庁舎で使用する電気の供給(堺市版オフサイトPPA事業)」の採択を受け、実施する。同事業では、11社15施設に太陽光発電設備を導入し、それらの余剰電力を同社のエネルギーマネジメントプラットフォーム「R.E.A.L. New Energy Platform」を活用して堺市役所本庁舎の本館と高層館に供給する。年間の総発電量は550万kWhで、これによるCO2削減量は年間2600tを見込む。市庁舎へ供給する余剰電力量は320万kWhになると想定している(図2)。

図2 「堺市役所本庁舎で使用する電気の供給(堺市版オフサイトPPA事業)」の対象企業・施設

出所 株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ UPDATES 2026年2月26日、「アイ・グリッド・ソリューションズアグリゲーターとして大阪府堺市への余剰電力供給を本格始動」

 アイ・グリッドは、今回の取り組みを同社の「GX City構想」の実装モデルと位置付ける。同構想は、分散型再エネの地産地消を起点に、脱炭素化だけでなく、レジリエンス注2強化や地域経済の活性化、暮らしの質の向上を自治体や地域企業と進めるもの。今後も、地域GX(グリーントランスフォーメーション)の取り組みを進めるという。


注1:アグリゲーション:分散して存在する複数のエネルギー源(太陽光発電や蓄電池など)を統合的に制御・管理し、一つの発電所のように機能させること。
注2:レジリエンス:災害などの困難な状況に直面した際、機能を維持、または速やかに回復させる強靭性や回復力のこと。

参考サイト

株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ UPDATES 2026年2月26日、「アイ・グリッド・ソリューションズアグリゲーターとして大阪府堺市への余剰電力供給を本格始動」

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