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沖縄科学技術大学院大とミサワホーム総合研究所、蒸暑地域でのサステナブルな暮らしにつながる共同研究契約を締結

2016/01/25
(月)
SmartGridニューズレター編集部

2016年1月25日、沖縄科学技術大学院大学(以下:OIST、沖縄県国頭郡、学長:ジョナサン・ドーファン)と株式会社ミサワホーム総合研究所(以下:ミサワホーム総合研究所、東京都杉並区、代表取締役社長:佐藤 春夫)は、蒸暑地の生活におけるエネルギーおよび水に関して持続可能(以下:サステナブル)な導入および利用を可能にするシステムを開発・構築し、こうした地域においてエネルギー効率が良く、快適な生活を提供する住宅を開発することを目的として、共同研究契約を締結したことを発表した。

蒸暑地域は、日本では南九州・沖縄から、さらに東南アジアをはじめとする広い地域に広がっている。これらの地域は人口の増加が著しく、CO2排出量も大きく増えることが予想されている。
高温多湿で年間を通じて気温差が小さく、低緯度の為紫外線が強く、台風の常襲があるといった課題もある。一方、日本の産業部門のエネルギー消費量がこの30年間に2割近く減少しているにも関わらず、住宅部門のエネルギー消費量は2倍になっており、今後の成長が見込まれる国々の住宅においても長期的対処が必要になると考えられている。

共同研究のために建設予定の実験棟は、沖縄県恩納村谷茶に位置するOISTの敷地内に2016年3月末日に竣工を予定する。実験棟は、屋根に設置した太陽電池が発電する際に発電に寄与しないエネルギー(熱)を活用して室内の除湿を可能にするシステム、壁全面で冷房する放射冷房システム、OESを見据えた宅内DC(直流)給電などを実装する。竣工次第研究を開始し、2016年6月を目処に研究データの途中発表と合わせて内覧会の実施を予定する。
 


※ OISTで実験が行われているオープンエネルギーシステム(OES)「オープンエネルギーシステム(OES)を実現する分散型DC電力制御に関する実証的研究」について亜熱帯の島、沖縄で2013年3月に一つのエネルギープロジェクトが始まっている。OISTの教員宿舎に導入され、その実証実験により始まったのがOESである。沖縄県の亜熱帯・島しょ型エネルギー基盤技術研究事業の採択・補助を受け、OISTおよび株式会社株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所と沖縄県内事業者の株式会社沖創工、ソニービジネスオペレーションズ株式会社が共同で進めているOES実証実験は、各住宅に蓄電池、太陽光パネルなどから成る蓄電システムを設置し、各蓄電システムを専用の直流電力線と通信線によって相互接続することで直流(DC)マイクログリッドを形成する。コミュニティ内の個々の住宅が発電し、住宅と住宅の間でエネルギーを相互融通する、従来とは異なるボトムアップ式電力網となる。既存の電力系統に影響を及ぼすことなく、エネルギーの需給バランスを自律的に調整することで、エネルギー自給率を高めることができる。

■リンク
OIST
ミサワホーム研究所

 

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