2016年2月22日、株式会社NTTドコモ(以下:ドコモ、東京都千代田区、代表取締役社長:加藤 薰)とエリクソン・ジャパン株式会社(以下:エリクソン、東京都港区、代表取締役社長:野崎 哲)は、2016年2月17日に神奈川県横須賀市のドコモR&Dセンタで、15GHz帯を用いた屋外環境での第5世代移動通信方式(以下:5G)通信実験をおこない、両社がめざす5Gの目標性能のひとつである受信時最大10Gbpsを超える通信速度の無線データ通信に成功したことを発表した。
さらに、2016年2月21日には同環境で実施したマルチユーザ通信実験では、20Gbpsを超える通信容量の無線データ通信に成功している。
10Gbpsを超える高速通信を実現するには、連続した広い周波数帯域幅の確保に適している高周波数帯の利用が想定されているが、一方で、周波数は高くなるに従って電波の波長は短くなり、遠くまで伝搬しなくなる特性があるため、10Gbpsを超える高速通信では、高周波数帯でより遠方に電波を届かせることが課題となっていた。
同屋外実験では、ドコモとエリクソンが共同で仕様を策定し、エリクソンが設計、製造した実験用の無線基地局と携帯電話端末に相当する移動局装置を用いて実施した。実験では、基地局アンテナから複数のビームで、それぞれ異なるデータを同時に伝送し、通信速度を向上させる「マルチビームMIMO」を利用することで、10Gbpsを超える無線データ通信を実現させた。また、64個のアンテナ素子でビームを作り、電波の放射エリアを特定方向へ集中させる「ビームフォーミング」によって電波をより遠くへ届かせることで、これまでの約7倍となる70m以上※の距離の端末への10Gbpsを超える通信速度の無線データ通信を実現した。さらに、2台の移動局装置を同時接続するマルチユーザ通信実験では、受信時最大20Gbpsを超える通信容量の無線データ通信も実現した。(写真参照)
写真1 実験の様子
写真2 実験の様子
◆実験概要
- 実験場所:ドコモR&Dセンタ(神奈川県横須賀市)
- マルチビームMIMOによるストリーム多重数:1移動局装置(ユーザ)あたり4ストリーム
- 同時接続移動局装置数:1または2
※ 1つの無線基地局と2つの移動局装置によるマルチユーザ通信実験の1つの移動局装置において。