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NEDO、アジア地域で省エネルギー型資源循環制度導入実証事業に着手

2016/09/23
(金)
SmartGridニューズレター編集部

2016年9月23日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下:NEDO、神奈川県川崎市、理事長:古川 一夫)は、アジア地域においてリサイクルなどの資源循環に関する制度・技術の一体的導入を目指した2テーマの海外実証事業に着手することを発表した。

同実証事業はバングラデシュとミャンマーの2ヶ国において、日本が有する環境負荷を低減させる政策ツールや技術・システムのノウハウを提供、その有効性を検証することで同地域における省資源・省エネルギー化を推進し適正な資源循環の実現を目指す。
また、将来の資源の品質低下や不足などへの対応や将来的なアジア展開を見据え、国内において高度な資源循環システムの構築を目指した4テーマの研究実証事業も併せて実施する。

概要

アジアの新興国では、都市部の非効率な資源の利用、大気汚染や廃棄物の増加など、既に過大な環境負荷がかかっているが、これらの問題に対する政策的な対応は後手に回りがちな状況となっている。これらの国々に適切な資源循環制度の構築を促していくためには、日本がこれまで取り組んできた政策ツールや技術・システムなど環境負荷を低減させてきたノウハウを提供し、相手国側と一体となってデモンストレーション効果を有する取り組みを実施し、その有効性を検証することが必要となる。
NEDOは、「アジア省エネルギー型資源循環制度導入実証事業」として、アジア地域の新興国を対象にリサイクルなどの資源循環に関する制度と技術の一体的な導入を目指す2テーマの海外実証事業を実施する。具体的には、バングラデシュとミャンマーの2ヶ国において、新興国側との政策対話や実現可能性調査などを踏まえ、日本の有する政策ツールや技術・システムのノウハウを提供することで資源循環制度の構築を支援する。これらの取り組みを通じて、同地域の省資源・省エネルギー化の推進、適正な資源循環の実現と、日本の技術システムの海外展開を目指す。

また同時に、国内において高度な資源循環システムに関する4テーマの研究実証事業も実施する。同研究実証事業では、今後の鉱床の低品位化や新興国需要の拡大等による資源の需給逼迫への対応を見据え、動脈産業※1側と静脈産業※2側が一体となった高度な資源循環システムの構築を目指すとともに、将来的にはアジア地域への展開も視野に入れて実施するものとなる。取り組みにより、リサイクルプロセスにおける規格・認証スキームのあり方や廃棄物の回収網のあり方が再検討され、動脈・静脈のバリューチェーン全体の高度化が期待される。


※1 動脈産業:製品の設計・製造・販売等を主に行う産業。

※2 静脈産業:廃棄物の回収・分離選別・資源化・最終処分等を主に行う産業。

■リンク
NEDO

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