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NEDO、北極圏でのマイクログリッドの実証事業で使用する風力発電設備が運転開始

2018/11/08
(木)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、サハ共和国のティクシ市で実施中のマイクログリッド実証事業で使用する風力発電設備3基が完成し、稼働を始めたと発表した。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2018年11月8日、サハ共和国のティクシ市で実施中のマイクログリッド実証事業で使用する風力発電設備3基が完成し、稼働を始めたと発表した。NEDOは2018年2月からこの地で風力発電設備や定置型蓄電池を利用した「ポーラーマイクログリッドシステム(Polar Microgrid System)」の実証事業を開始している(参考記事)。ポーラーマイクログリッドシステムの実証実験は2021年2月まで続ける予定。

図 NEDOがティクシ市に設置した3基の風力発電設備

図 NEDOがティクシ市に設置した3基の風力発電設備

出所 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

ティクシ市は極東の北極圏に位置しており、極端に寒冷な地域であるにも関わらず、大規模な送電系統が届いていない。そのため地域住民は小規模なディーゼル発電機を電源とする小規模な独立送電網を構成している。しかし、ディーゼル燃料を輸送にはかなりのコストがかかり、発電コストが高騰している。地方政府はこのような地域の電力単価を、大規模送電網につながっている地域とほぼ同等に維持するために補助しているが、地方政府の財政には大きな負担となっている。さらに、現在使用しているディーゼル発電機の老朽化が進み、電力の安定供給が突然不可能になってしまう可能性もある。

今回設置した風力発電設備は1基当たりの最大出力が300kWで、合計出力は900kWとなる。3基とも、マイナス30℃以下の極寒環境でも稼働する極寒冷地仕様となっている。2019年9月には、今回設置した風力発電設備と既存のディーゼル発電機、定置型蓄電池などを接続し、極寒冷地にでの送電系統安定化を実現する「ポーラーマイクログリッドシステム」を構築する。2019年12月には、このシステムを利用して低コストかつ安定した電力供給を目指した実証に入る予定だ。NEDOはポーラーマイクログリッドシステムを効果的に運用すれば、ディーゼル燃料の年間消費量を約16%削減できると見込んでいるという。


■リンク
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

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