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「電力が余ったら製氷に使って需給調整」関西電力がモルディブで太陽光発電設備を建設

2016/11/15
(火)
SmartGridニューズレター編集部

関西電力は、同社がモルディブ共和国で建設していた太陽光発電設備が完成したと発表した。

関西電力は2016年11月15日、同社がモルディブ共和国で建設していた太陽光発電設備が完成したと発表した。この事業はGSEP(Global Sustainable Electricity Partnership)の開発途上国支援プロジェクトとして日本、モルディブの両政府と関西電力が官民連携で進めているもの。建設資金の一部を、日本政府の政府開発援助(ODA)「草の根・人間の安全保障無償資金協力」から受けている。ちなみに、GSEPとは、再生可能エネルギーに開発や気候変動問題など、電気事業に関する課題について協力する業界団体。2016年11月時点で、世界8カ国の10社が参加している。

図 完成した太陽光発電設備

図 完成した太陽光発電設備

出所 関西電力

今回、太陽光発電設備を設置したのはモルディブ共和国のディフシ島。首都であるマレの北北東約35kmに位置している。人口は約1200人で、島全体で最も電力を消費している時間帯の供給電力は300kW程度。発電にはディーゼル発電機を利用している。ここに出力40kWの太陽光発電設備を設置した。島全体の最大電力需要の1/10強をこの太陽光発電設備でまかなえるようになったわけだ。

図 ディフシ島と発電設備の位置

図 ディフシ島と発電設備の位置

出所 関西電力

この太陽光発電設備の最大の特徴は、需給調整に島の主要産業である漁業で必要になる「氷」を利用する点にある。太陽光発電設備による電力が余ったら、その分を製氷機に回して氷を作る。水揚げした魚の輸送など、漁業では氷が様々な場面で必要になる。電力を供給しながら、地場産業にも貢献する設備と言える。

図 ディフシ島に設置した発電設備の構成図。余剰電力は製氷機に供給する

図 ディフシ島に設置した発電設備の構成図。余剰電力は製氷機に供給する

出所 関西電力

モルディブ共和国は、およそ1200の島々からなる島国だ。そして同国は全国の電力需要の6割を再生可能エネルギーでまかなえるようにする計画を立てている。そのために、ほかの島々でも政府とアジア開発銀行などが太陽光発電設備の導入を計画している。今回完成した発電設備は、その計画を後押しする設備にもなるだろう。

関西電力はこの発電施設をモルディブ共和国に無償譲渡する。運転開始後の保守、運用はモルディブ共和国が担当するが、設備の状態や電力系統の安定度合いなどを確認するために、関西電力が運転状況を5年間監視する予定。また、この事業で得られた知見やノウハウなどをアジア開発銀行が支援するセミナーなどを通して、同国の電力事業関係者に伝達していくとしている。


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関西電力

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