関電エネルギーソリューション、兵庫県森林組合連合会(森林組合)、公益社団法人兵庫みどり公社(みどり公社)、関西電力は2016年12月1日、兵庫県朝来市(あさごし)の生野工業団地に「朝来バイオマス発電所」を建設し、運転を開始したと発表した。森林の間伐等によって発生する未利用材から木質チップを燃料とする木質バイオマス発電所。チップの加工施設も併せて建設し、稼働を始めた。
図 朝来バイオマス発電所
出所 関電エネルギーソリューション
朝来バイオマス発電所の事業は、森林組合や自治体と共同で実施する官民協働のものになる。未利用材の収集と搬出はみどり公社や森林組合などで運営する「兵庫県be材等供給協議会」が担当し、木質チップへの加工、貯蔵、品質管理は森林組合が運営する「be材供給センター」が担当する。木質チップの供給を受けて、発電所を運営するのは関電エネルギーソリューションとなる。そして、事業全体の運営について兵庫県と朝来市が指導助言や協力という形で関わる。この官民協働の事業モデルは国内初のものだという。
発電所の最大出力は5.6MW。発電した電力は、施設の運営のために消費するほかは、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して売電する。売電単価は1kWh当たり32円。年間売電量は約3700万kWhとなる見込み。これは一般世帯の年間電力消費量に換算すると1万2000世帯分に当たる。そしてこの発電所の運営により、年間で約1万8000トンのCO2排出削減効果が得られるとしている。
この発電所は、関西電力グループにとっては初の木質バイオマスのみを燃料とする発電所になるという。関西電力グループは、2030年までに50万kWほどの再生可能エネルギー電源を開発することを目標としている。