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東洋ゴム工業がタイヤ工場で使用する燃料を天然ガスに転換、コージェネレーションシステム導入へ

2016/12/19
(月)
SmartGridニューズレター編集部

東洋ゴム工業は、自動車用タイヤ製造拠点である「仙台工場」に液化天然ガスを燃料とするコージェネレーションシステムを導入すると発表した。

東洋ゴム工業は2016年12月19日、同社の自動車用タイヤ製造拠点である「仙台工場」(宮城県岩沼市)に液化天然ガス(LNG)を燃料とするコージェネレーションシステムを導入すると発表した。2018年2月に一部が稼働開始の予定。その後、段階的に設備を入れ替えていく。

図 東洋ゴム工業の仙台工場

図 東洋ゴム工業の仙台工場

出所 東洋ゴム工業

仙台工場では現在、タイヤ生産に使用する電力と熱を作り出すためにコージェネレーションシステムを使用しているが、燃料は石炭と使用済みタイヤを混合したものと、重油を使っている。

燃料転換のきっかけとなったのは、石油資源開発が福島県の相馬港に建設中のLNG貯蔵タンクだ。タンクと合わせて、東洋ゴム工業の仙台工場がある宮城県岩沼市までガスパイプラインを敷設することが決まり、LNGを容易に調達できるようになる見込みが立ったことから、燃料をLNGに切り替えることを決めた。ガスパイプラインは2017年末に完成し、2018年に操業開始の予定。

燃料の切り替えとそれに伴う設備導入は、環境汚染対策を目的としている。新設備稼働後も発電能力や蒸気を作る力に大きな変化はないという。東洋ゴム工業がこれまで仙台工場で燃料として使用していた石炭や重油と比べると、LNGは大気汚染や酸性雨を引き起こすSOx(硫黄酸化物)を発生させず、光化学スモッグの原因となるNOx(窒素酸化物)、温暖化を促進させるCO2の排出量も少ない。石炭を燃焼させた後に出てくる、石膏汚泥やフライアッシュといった各種産業廃棄物も減らせるという。

東洋ゴム工業が導入するコージェネレーションシステムは、天然ガスと圧縮空気を燃焼させることでタービンを回転させて発電するもの。タービンから高温のまま出てきた排ガスは排熱回収ボイラーに送り、蒸気を作る。この蒸気は工場内の配管を経由して、タイヤ生産設備などに供給する。

図 東洋ゴム工業が仙台工場の導入予定のコージェネレーションシステムの概要

図 東洋ゴム工業が仙台工場の導入予定のコージェネレーションシステムの概要

出所 東洋ゴム工業

蒸気を作った後の排ガスはまだ高い温度を維持している。これを「エコノマイザー」と呼ぶ装置に送り、排熱回収ボイラーに供給する水を加熱するために利用する。こうすることで、排熱回収ボイラーに供給する水を161℃まで加熱できるので、蒸気を作る際の熱効率が高まる。

東洋ゴム工業は、国内生産拠点におけるCO2排出量を、2020年度末までに2005年度比で15%削減するという目標を立てている。今回の燃料転換に限らず、国内の各生産拠点で、さまざまな方法でCO2排出量を削減しているという。


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東洋ゴム工業

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