関西電力は2019年2月21日、同社の100%子会社であるKansai Energy Solutions(Thailand)が、帝人フロンティアの子会社であるTEIJIN(THAILAND)に熱と電力を供給する契約を締結したと発表した。Kansai Energy Solutions(Thailand)が、アユタヤ県バンパインにあるTEIJIN(THAILAND)のポリエステル工場の敷地内にガスコージェネレーションシステムを設置し、電力と発電時に発生する熱を合わせて工場に供給する。ガスコージェネレーションシステムの運用管理とメンテナンスは、運転開始後もKansai Energy Solutions(Thailand)が担当する。
図 ガスコージェネレーションシステムで発電した電力と、発電時に発生する熱を工場に供給する
出所 関西電力
新設するガスコージェネレーションシステムは、最大発電出力が約10MW(1万kW)で、最大熱出力が約4MW(4000kW)。1時間当たりおよそ5トンの蒸気を供給する能力があり、電気と熱を合わせた総合エネルギー効率は80%に達する。運転開始は2020年7月の予定で、それから15年間にわたって熱と電力の供給を続ける。
TEIJIN(THAILAND)は、今回の契約によってエネルギーコストの削減と、CO2排出量削減を狙っている。関西電力は、コージェネレーションシステムを利用することで、契約期間である15年間にCO2排出量を合計26万トンほど削減できると見込んでいる。
Kansai Energy Solutions(Thailand)は、海外事業拡大を狙う関西電力が2018年8月に設立したもので、関西電力にとって初めての海外子会社になるという。そして、今回のTEIJIN(THAILAND)との契約は、初めての熱電供給事業だとしている。