パナソニックとTesla Motorsは2016年12月27日、ニューヨーク州バッファローに建設中の工場で太陽電池セルと太陽光発電モジュールの生産を始めることで合意した。パナソニックはバッファロー工場で必要な投資の一部を負担し、Tesla Motorsはバッファロー工場で生産した太陽電池を長期間に渡って購入する契約を結んだ。生産開始は2017年夏の予定で、2019年にはバッファロー工場の生産能力を1GWまで引き上げる計画だ。
テスラの太陽電池といえば、2016年10月に発表した「Solar Roof」に注目が集まっている。Solar Roofは既存の太陽光発電モジュールとは全く異なる形をしており、屋根瓦そっくりに見えるモジュールだ。しかも、一般的な屋根瓦よりもかなり頑丈な作りになっている。現在のところ、「Tuscan Glass Tile」「Slate Glass Tile」「Textured Glass Tile」「Smooth Glass Tile」の4種類のそれぞれ模様が異なるモジュールを提供する予定だ。Tesla MotorsはSolar Roofの価格について明らかにしていないが、同社のCEOであるElon Musk氏は「既存の太陽光発電モジュールと比べても十分競争力のある価格にする」と語っている。
図 Solar Roofの4種類の模様。左から「Tuscan Glass Tile」「Slate Glass Tile」「Textured Glass Tile」「Smooth Glass Tile」。真上から見ると太陽電池セルが見えるが、地面から見上げると屋根瓦にしか見えない
出所 Tesla Motors
Tesla MotorsはSolar Roofの発売時期を明確にしていないが、2017年中に生産を始める予定としている。バッファロー工場で生産する太陽電池セルとモジュールは当面、Solar Roofではない製品に組み込むことになっている。2016年11月にTesla Motorsが買収したSolarCityの製品に組み込む可能性が高い。そして、Solar Roofの生産が始まったらパナソニックの太陽電池セルを組み込むことになっている。
パナソニックとTesla Motorsはすでに電気自動車向けのリチウムイオン蓄電池の生産で提携している。今回の提携でその関係はさらに深まった。両社は、この関係をさらに強いものにし、拡大していくとしている。その一環として、カリフォリニア州フリーモントにあるSolarCityの施設で、パナソニックとTesla Motorsは次世代の太陽電池技術の開発に取り組むことを明らかにした。