伊藤忠商事、関西電力、東京ガスは2016年10月14日、米国の天然ガス火力発電所「エンパイア発電所」を共同で買収すると発表した。現在、この発電所は、米国のプライベート・エクイティ・ファンドであるEnergy Capital Partners社が保有している。
今回、買収に名乗りを上げた3社はそれぞれ100%出資の子会社を作り、子会社3社が共同持株会社を設立し、この会社が発電所を保有する形を採る。持株会社の出資比率は伊藤忠商事の子会社であるTyr Energyが50%、関西電力の子会社であるKPIC USA社が25%、東京ガスの子会社である東京ガスアメリカ社が25%。3社が作る合同会社の名称はTTK Power, LLC。ちなみに、発電所の資産管理と運営はTyr Energy社が、運転、保守は伊藤忠商事の100%子会社であるNAES Corporationが請け負う。
エンパイア発電所はニューヨーク州レンセラー市に立地しており、天然ガスを燃料とするガスタービンコンバインドサイクルの火力発電設備を備えている。設備の合計出力は63.5万kW。2010年9月に商業運転を始めており、以降安定稼働を続けている。
図 エンパイア発電所の所在地
出所 東京ガス
伊藤忠商事は北米を中心に全世界では130カ所以上の発電所を運営しており、運営している発電所の出力合計は3万5000MW以上にもなる。独立系企業としては世界最大手の規模で電力事業を展開している。
東京ガスにとっては今回の事業は北米における初の発電事業だ。液化天然ガス調達などで協力してきた関西電力と連携して、この事業に参加する。東京ガスと関西電力はさらなる連携を検討しているという。