総務省は2017年1月4日、法令改正により「M2M等専用番号」として「020」から始まる番号を利用できる制度が始まったことを発表した。これに合わせて携帯事業者各社は10月から「020」で始まるM2M/IoT機器向け電話番号の利用を始めることを明らかにしている。
M2M/IoT機器向けに割り当てる「020」番号は、従来の携帯電話と同じく合計12けたで、020に「0」と「4」が続く番号は除外となる。「0」が続く番号を除外するのは「0120(着信者課金)」や「0800(着信者課金)」「0570(ナビダイヤル)」など、4けた目に「0」があるほかの番号との混同を避けるため。「4」が続く番号はポケットベル向け番号となっているため、除外となる。この結果、8000万の番号をM2M/IoT機器向けサービスで利用できるようになった。
M2M等に向けた「020」で始まる番号は基本的に、パケット通信だけを提供するサービスを利用する機器に割り当てることになっている。一部、パケット通信だけでなく、SMS(ショートメッセージサービス)や携帯端末との音声通話も可能となっている。
図 「020」番号の割当対象となるサービス
出所 総務省
総務省は「020」番号を利用する機器の指定要件として、「第一種指定電気通信設備との間で呼の接続を行わないこと」と、「電波法に基づく基地局の無線局免許を有すること」を挙げている。前者は、NTT東西の加入者回線(光ファイバ、メタル回線)に音声接続しないことを指し、後者は「020」番号を利用できるのが基地局を設置する免許を持った携帯電話事業者であることを指す。
今後、携帯事業者各社が「020」番号の指定の申請を提出し、総務省による審査を経て指定となる。指定を受けたら、「020」番号に対応するために基地局などのシステム改修を経て、番号を利用できるようになる。
今回、「M2M等専用番号」として利用可能となった「020」番号はユニバーサルサービス負担金の対象外となる。そして、今回の法令改正前にM2M/IoT機器で利用していた「090」「080」「070」番号は引き続き、用途を変えることなく利用できる。未使用の番号があれば、「090」「080」「070」番号をM2M/IoT通信のために新たに利用を始めることも可能だ。ただし、「090」「080」「070」番号はユニバーサルサービス負担金の対象となる。
今回の法令改正で8000万の番号が新たに利用可能となったが、多数のIoT機器が番号の利用を始めたら8000万の番号を使い果たしてしまう可能性も考えられる。総務省は番号が不足するようになったら、番号のけた数を増やすことで対応することを検討している。