三井物産は2016年1月5日、ブラジル北部マデイラ川流域に建設中だった「ジラウ水力発電所」が完成したと発表した。三井物産は同社の投資子会社を通してこの発電所の事業に出資している。出資比率は20%。残りの80%の構成はフランスEngie社(40%)、ブラジルEletrosul社(20%)、ブラジルChesf社(20%)となっている。
図 ジラウ水力発電所の全景
出所 フランスEngie社
長大で流量が多い河川を多く抱えているブラジルでは、水力は国の基幹電源となっている。ブラジル全国の発電量に対して、水力発電による発電量が占める割合はおよそ8割にもなる。
ジラウ水力発電所は出力75MWのタービンを50基備えており、合計出力は3750MWにもなる。これは、ブラジルの水力発電所としては第3位となる規模だ。この発電所による電力の70%は、地元の配電事業者に供給する契約を結んでいる。契約期間は35年間。残りの30%は産業界に供給する予定。
水力発電所は燃料を燃焼させることなく発電することから、CO2排出量削減効果があると認められている。ジラウ水力発電所には、年間600万トンのCO2排出量削減効果が期待できる。
三井物産はジラウ水力発電所をきっかけに、今後の成長が期待できる南米各国で発電事業を進めていくとしている。
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三井物産