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センサーで海賊版ワインを撲滅? 凸版印刷がICタグを開発

2017/01/13
(金)
SmartGridニューズレター編集部

凸版印刷は、ワインのコルク栓引き抜きや穴開けを検知する機能を持つICタグを発表した。

凸版印刷は2017年1月12日、ワインのコルク栓引き抜きや穴開けを検知する機能を持つICタグ「CorkTag(コルクタグ)」を発表した。1月中旬から販売を始める予定。不正な詰め替えや、偽造ワイン製造を抑止するために開発したとしている。

図 左がCorkTag、中央はCorkTagを先行導入した「ドメーヌ・エマニュエル・ルジェ」、右はCorkTagの情報をスマートフォンで読み取っているところ

図 左がCorkTag、中央はCorkTagを先行導入した「ドメーヌ・エマニュエル・ルジェ」、右はCorkTagの情報をスマートフォンで読み取っているところ

出所 凸版印刷

模倣品や海賊版が流通するという話は昔からあるものだ。代表的なものとしては音楽CDの海賊版が挙げられる。しかし、最近はその流通量が世界的に増加し、今までに対象となっていなかったものの海賊版が出回り始めている。現在では、ウイスキーなどの蒸留酒やワインの海賊版も流通しているという。模倣品や海賊版が流通すると、その品を手に取った消費者が金銭的損害を受けるだけでなく、長期的に見ると正規品のブランド価値が下落してしまう。

ワインの模倣品や海賊版の製作者は、コルク栓を抜いて中身を入れ替えるという手口を使うことが多いが、最近はコルク栓の天面に小さな穴を開けて、中身を入れ替えるという手口も登場してきている。今回凸版印刷が開発したICタグは、どちらの手口にも対応できるものだ。

一般的なICタグは、回路の一部が断線してしまうと信号を読み取れなくなるが、CorkTagでは特殊なICチップを採用した。このICからは通信用アンテナ回路と、断線検知用回路の2つの回路が伸びている。コルクを抜いて断線検知用回路が断線すると、ICチップは断線したこと、つまり誰かがコルクを抜いたことを検知する。コルク天面の穴開けも検知できるという。そして、断線検知用回路が断線してもICタグとして変わらず機能し続ける。

通信方法としてはNFC(Near Field Communication)に対応する。多くのスマートフォンがNFCに対応しているので、CorkTagにスマートフォンを近づければ、開栓/未開栓の情報を確認できる。ワインの産地や特徴などの消費者向け情報を書き込んでおいて、NFC通信でその情報を提供することもできる。

CorkTagの利用方法

出所 凸版印刷

凸版印刷は今回の発売前に、フランス・ブルゴーニュ地方の高級ワインメーカー「ドメーヌ・エマニュエル・ルジェ」にCorkTagを先行供給している。CorkTagが付いたドメーヌ・エマニュエル・ルジェは2016年12月から出荷が始まっている。CorkTagの価格は1枚約90円(30万ロットの場合)。凸版印刷はCorkTagを高級ワインメーカーに売り込む構えだ。


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凸版印刷

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