北陸電力は2017年1月23日、同社への太陽光発電設備の接続申し込み量(接続済み量を含む)が、接続可能量に到達したと発表した。1月24日以降に太陽光発電設備の接続を申し込む場合、出力制御に対して補償がない条件での接続となる。
2016年11月に、政府の新エネルギー小委員会の第9回系統ワーキンググループが検証した結果、北陸電力の太陽光発電設備の接続可能量は110万kW(1100MW)という結果となり、北陸電力もこの値を接続可能量と設定している。
太陽光発電設備の接続申し込みに対しては、2015年1月までは「30日ルール」、2015年1月以降は「360時間ルール」を条件に接続を認可することになっている。電力会社が系統に接続した太陽光発電設備の出力を制御しても、その時間が年間30日あるいは360時間までに収まるなら、電力会社は補償する義務がないとするルールだ。電力会社は太陽光発電設備による発電量が上がり過ぎて、電力会社の営業エリア内で火力やバイオマスなどの発電所の出力を制御しても、電力供給量が需要量を上回りそうなときに太陽光発電設備の出力を制御する。
しかし、日本各地で太陽光発電設備の新設が続いた結果、30日ルールや360日ルールに基づく出力制御だけでは、供給過剰となることを避けられなくなる恐れが出てきた。そこで、電力各社は、「指定電気事業者制度」に基づいた補償なしで無制限に出力を制御できる制度を利用し始めている。すでに北海道電力、東北電力、四国電力、九州電力の各社管内では太陽光発電設備の接続量が接続可能量を超過し、新規申し込み分については、無保証で無制限の出力制限を許可することを条件に接続を認可するようになっている。北陸電力の今回の発表はこれに続くものだ。
北陸電力は、2027年には同社の系統に接続する太陽光発電設備の出力合計値が170万kWに達すると見込んでいる。過去の発電データからの推計では、接続量が170万kWとなったときには、年間の出力制御時間の合計が358時間に達する可能性があるという。
図 北陸電力管内における、太陽光発電設備の接続量に対する年間制御時間の推計
出所 北陸電力
北陸電力は無制限無補償の出力制限の適用対象は、1月24日以降申し込み分とし、それ以前に接続した設備については、30日ルール、360時間ルールに従った出力制限となる。30日ルール、360時間ルールに従って出力制御しても、供給過剰となる場合は新ルールで接続した太陽光発電設備の出力を制御して対応するともしている。
■リンク
北陸電力