北陸電力は2018年11月21日、2014年10月から建設中だった「富山新港火力発電所」の「LNG 1号機」が完成し、営業運転を開始したと発表した。富山新港火力発電所では、石炭を燃料とする発電設備が2基、原油を燃料とする設備が1基、原油と液化天然ガス(LNG:Liquefied Natural Gas)を燃料とする設備が1基稼働している。このうち石炭を燃料とする「石炭1号機」を廃止して、発電効率が高く、CO2排出量が少ないLNG 1号機で代替する計画だ。LNG 1号機は北陸電力としては初めてのガスタービンコンバインドサイクル発電設備となる。
図 富山新港火力発電所 LNG 1号機の建設地
出所 北陸電力
富山新港火力発電所の所在地は富山県射水市堀江千石1番地(いみずしほりえせんごく)。日本海沿岸にある富山新港の入り江に面している。従来から稼働している4基の入り江側にLNG 1号機を新設した。合わせて、西側にはLNG基地やLNGタンク、気化器などを設置した。
図 富山新港火力発電所 LNG 1号機と、LNG関連設備の位置。青い部分が新たに建設した設備を指す
出所 北陸電力
富山新港火力発電所 LNG 1号機の発電出力は424.7MW(42万4700kW)。発電方式はガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電。発電端熱効率は低位発熱量基準で59%を超える。この値から、ガスタービン内の燃焼温度が1500℃級のMACC(More Advanced Combined Cycle)の設備を採用したと考えられる。LNG船受け入れ設備は、15万m3級の船を受け入れ可能で、タンクは容量18万klのものを1基建設した。
北陸電力はLNG 1号機の新設に合わせて、石炭1号機を2018年度中に廃止するとしていたが、硫黄成分の少ない原油燃料の調達が難しくなる可能性が高くなっていることから、2017年12月に石炭1号機の廃止時期を2024年度に延期している。
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北陸電力