Looopは2017年2月27日、住宅用定置型蓄電池「Looopでんち 家庭用」を発表した。4月11日から先行販売の予約を受け付ける。価格は89万8000円(税、設置工事費、通信料別)。一般的な住宅に必要な蓄電容量を精密に分析するなどの工夫で、低価格を実現した。
図 「Looopでんち 家庭用」。右が蓄電池本体で、中がパワーコンディショナー、左下は通信コントローラーで左上はリモコン
出所 Looop
Looopでんち 家庭用の特徴は2つ。1つ目は89万8000円という価格。一般的な住宅用定置型蓄電池の価格は安いものでも150万円ほど、200万円を超えるものもある。Looopは蓄電容量を4kWhに絞るなどの工夫で、89万8000円という価格を実現した。
蓄電容量を決定する際には、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成金を活用した。Looopでんち 家庭用は太陽光発電システムと併用することを想定しているのだが、調査では太陽光発電システム設置住宅に必要な蓄電池の蓄電容量を調査して、その結果を分析した上で蓄電容量は4kWhで十分と判断した。
2つ目の特徴は、基本的に使用者が操作する必要がないという点。一般的な住宅用定置型蓄電池では、充放電のモード切替など、手動操作が必要なことがほとんどだが、Looop電池では設定不要とした。Looopのサーバーが遠隔地からインターネット経由で蓄電池と通信して設定する。
Looopには、数多くの太陽光発電システム導入を請け負ってきた実績があり、電力小売りで培ってきたデータもある。蓄積してきた発電量予測や需要予測、日本全国の天気予報などの膨大なデータを機械学習で学習モデルに学習させ、その学習モデルが各家庭に最適な充放電スケジュールを設定する。こうすることで、充放電の無駄を極限まで排除し、蓄電容量4kWをフル活用する。
図 「Looopでんち 家庭用」の設置構成例。インターネット上のサーバーが最適な運転パターンを自動的に設定する
出所 Looop
太陽光発電システムとの併用を想定して、ハイブリッド型のパワーコンディショナーを導入したことも特徴と言える。設置スペースを節約できるほか、太陽光発電システムが発電した直流の電力を直流のまま蓄電池に充電できるので、電力の損失を最小限に抑えられるという利点がある。パワーコンディショナーの出力は最大で5.5kWh。
同日にLooopは、電力供給サービスの新プラン「Looopでんき+」を発表した。太陽光発電システムを導入している住宅向けのプランで、発電した電力の販売先をLooopに指定することで、1kWh当たりの電力供給価格をLooopが従来提供している電力供給サービスに比べて1円引き下げるというプランだ。東京電力、中部電力、関西電力のサービスエリアから提供を始める。受付開始は4月11日の予定。Looopは今後、Looopでんち 家庭用とLooopでんき+を組み合わせたセットプランの提供も予定している。
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