[特別レポート]

Looopのエネプラザを導入した「浦和美園E-フォレスト 第3期」の概要

2022/10/13
(木)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

写真1 「浦和美園E-フォレスト第3街区」(埼玉県)の全景

写真1 「浦和美園E-フォレスト第3街区」(埼玉県)の全景

51戸の屋根に、各4.4kWの太陽光パネルが設置されている。街区内の中央の道路脇にチャージエリア(写真2)がある。
出所 株式会社Looop提供

写真2 「浦和美園E-フォレスト第3期」内のチャージエリア

写真2 「浦和美園E-フォレスト第3期」内のチャージエリア

51戸に設置した太陽光パネルで発電したすべての直流(DC)電気をいったんこのチャージエリアのPCSに集め、交流(AC)に変換した後、各家庭に送っている(各家庭の個別のPCSは不要となっている)。2台のEV(日産リーフ)奥のベージュの設備は、受変電設備。蓄電池やEV、商用系統からの電気を、街区内の各住戸へ供給する。受変電盤の右の一段低い設備はPCS(パワーコンディショナー。写真3参照)、右端の白い設備が蓄電池(写真4参照)。
出所 編集部撮影

写真3 PCS(ダイヘン製)の外観

写真3 PCS(ダイヘン製)の外観

太陽光パネルで発電した電力のDC/AC変換、運転、系統連系などの制御を行う。
出所 編集部撮影

写真4 蓄電池

写真4 蓄電池

蓄電池容量は125kWh。
出所 編集部撮影

写真5 浦和美園E-フォレストステーション(V2Gシステム)

写真5 浦和美園E-フォレストステーション(V2Gシステム)

カーシェアリング用EV(日産リーフ)は、平日は蓄電池として街区のエネマネに活用(40kWh×2)し、土日は住民へシェアカーとして提供している。右側はEV用充放電器。CHAdeMO方式(急速充電の標準規格)。
出所 編集部撮影

写真6 ハイブリッド給湯器(リンナイ製)

写真6 ハイブリッド給湯器(リンナイ製)

住宅メーカー側が各家庭の設備として設置しているもの。ハイブリッド給湯器の貯湯量は100リットル、定格電圧はAC100V、定格消費電力は約400W。
出所 リンナイ株式会社提供

写真7 各戸に設置されているスマートメーター

写真7 各戸に設置されているスマートメーター

契約アンペア(A)は、通常時は一律60A(アンペア)であるが、停電時は電流制限をかけることで長時間の電気使用を担保している。
街区内の居住者専用の電気料金プランがあり、PVで発電している昼間は安く(20円/kWh)、発電量の少ない夜の時間帯は30円/kWhで提供している。前日の夕方にダイナミックプライシングの単価を各家庭のホームデバイス経由で配信している(本文図4参照)。居住者はそれを目安に翌日の行動変容を起こし、電気代を押さえるなどの工夫が可能となる。
出所 編集部撮影

写真8 PVマキシマイザー

写真8 PVマキシマイザー

各住戸に設置している太陽光パネル(PV)を数個束ねて発電出力を制御している機器。
出所 編集部撮影

写真9 「浦和美園E-フォレスト第3期」の入り口の標識(左上)、コモンスペース(左下)、街区外側からの外観(右下)

写真9 「浦和美園E-フォレスト第3期」の入り口の標識(左上)、コモンスペース(左下)、街区外側からの外観(右下)

街区内の建物は、玄関を同じ向きにして、共有スペースを作ってコミュニティの交流の場として活性化させるデザインとなっている。
出所 編集部撮影

Looopは、2022年1月26日、「エネプラザ」を導入した「浦和美園第3街区を核としたスマートシティさいたまモデル構築事業」において、「令和3年度新エネ大賞」の地域共生部門で「新エネルギー財団会長賞」を受賞した(主催:一般社団法人新エネルギー財団)。
出所 編集部撮影

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