Looopは2017年4月12日、茨城県に建設中だった大規模太陽光発電所(メガソーラー)「春の木ソーラー発電所」が完成し、運転を開始したと発表した。設計、調達、施工(EPC:Engineering、Procurement、Construction)のうち一部の設計と調達はLooopが担当し、詳細設計と施工は日立製作所が担当した。完成後の発電、売電事業はLooopが担当する。
図 「春の木ソーラー発電所」を背に、関係者と従業員が集まったところ
出所 Looop
発電所の所在地は茨城県水戸市鯉淵町(こいぶちちょう)。用地の大部分をLooopが取得して建設した。敷地面積は約15ha(14万7135m2)。この用地を3つに分けて、Looopが自社で製造した3種類のそれぞれ異なる種類の太陽光発電モジュールを並べた。1つ目の区画には、単結晶シリコン型で出力が275Wのモジュールを1万208枚並べた。合計出力は約2.8MW(2807.2kW)。2つ目の区画には多結晶シリコン型で出力が260Wのモジュールを1万780枚並べた。合計出力は約2.8MW(2802.8kW)。3つ目の区画には単結晶シリコン型で出力が280Wのモジュールを1万1560枚並べた。合計出力は約3.2MW(3236.8kW)。3種類目の単結晶シリコン型モジュールは、両面にガラスを張って耐久性向上を狙ったものだ。
パワーコンディショナーは、日立製作所の製品と、フランスGE Power Conversion社の製品を採用した。先述の1つ目と2つ目の区画には、日立製作所の出力が660kWの製品を3台ずつ使用し、3つ目の区画にはGE Power Conversion社の出力が990kWの製品を2つ使用した。GE Power Conversion社の製品は直流1500Vの入力に対応するもので、日本で採用するのは春の木ソーラー発電所が初めてとなるという。
発電所の合計最大出力はおよそ8.8MW(8846.8kW)。Looopは、年間発電量を約3.5GWh(約350万kWh)と見込んでいる。資源エネルギー庁が試算した一般世帯の年間電力消費量は、3600kWh。この数字を当てはめると、春の木ソーラー発電所の年間発電量は約980世帯分に当たる。発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用して全量を東京電力パワーグリッドに売電する。売電単価は区画ごとに異なり、1つ目と2つ目の区画は1kWh当たり38円(税別)で、3つ目の区画が1kWh当たり40円(税別)となる。
Looopは「Looopでんき」というブランド名で、電力小売り事業にも参入している。特徴として再生可能エネルギーによる電力をなるべく多く提供する点が挙げられるという。今後はLooopが建設した発電所の電力を他社に売電することなく、自社の顧客に直接届けるということにも取り組みたいとしている。
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