住友電気工業は2017年2月28日、住宅向け定置型蓄電池の新製品「POWER DEPO III」を発表した。5月下旬から住宅メーカー、リフォーム業者などを通して販売を始める。現行製品の「POWER DEPO II」と比較して、蓄電容量を引き上げた。本体サイズは大きくなったが、一般的な定置型蓄電池と比べると小さく仕上がっている。
図 「POWER DEPO III」の本体外見
出所 住友電気工業
POWER DEPO IIIの最大の特徴は、定置型蓄電池としてはかなり小さい本体サイズ。外形寸法は530×300×650㎜。重量は約54kg。多少厚みはあるが、マンションのベランダにも問題なく設置できるサイズだ。住友電気工業は本体サイズを小さく設計したことにより、一般的な定置型蓄電池と比べて、設置工事にかかる費用をおよそ50%削減できるとしている。
単価が安い夜間電力を充電しておいて、電気料金が高い時間帯に、充電した電力を利用することで、電気料金を抑えられる。停電時の自立運転も可能になっているので、非常時の電源としても利用できる。
太陽光発電システムとの併用も想定している。充放電時の直流/交流の変換効率を従来品と比べて大きく改善し、95.5%とした。充放電サイクル特性に優れたリチウムイオン蓄電池セルを採用することで、1日に充放電サイクルを2回繰り返すことが可能になった。充電した電力を余すことなく活用できるようにしたことで、蓄電池の稼働率向上につながった。蓄電容量は3.2kWhで、約3時間の充電で満充電状態にできる。
図 「POWER DEPO III」の設置例
出所 住友電気工業
IEEE802.11b/g/n準拠の無線LAN通信機能を備えている点も特徴。ECHONET Lite規格にも準拠しており、同じくECHONET Liteの準拠するHEMS(Home Energy Management System)と連携させることで、HEMSから蓄電池の充放電を制御できる。
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住友電気工業