富士電機は2018年8月2日、太陽光発電モジュールだけでなく、蓄電池も接続できる太陽光発電所用パワーコンディショナーを発売した。電力各社が太陽光発電設備の接続量限界を突破し、無制限無補償の出力制限が新規接続の条件となっている。そこで、蓄電池を活用して売電機会の損失を避けようという事業者に向けた製品として発売した。
図 蓄電池も接続できる太陽光発電所用パワーコンディショナー
出所 富士電機
これまで、太陽光発電所に蓄電池を併設するには、太陽光発電モジュールと蓄電池にそれぞれ別々にパワーコンディショナーを用意する必要があった。太陽光発電モジュールが発電した直流の電力を蓄電池に充電するには、直流から交流に変換し、再び直流に返還する必要があり、変換の過程で電力を損失していた。
新製品はパワーコンディショナーを構成するインバーターやコントローラーを集約して、2種類のパワーコンディショナーの機能を一体化。太陽光発電モジュールが発電する直流の電力を変換せずにそのまま蓄電池に充電できるため、電力損失を従来に比べて4~5%抑えられるとしている。
また、パワーコンディショナーを一体化することで、施工時にパワーコンディショナーの設置台数、それに伴う変圧器の設置台数を減らすことができ、工数も削減できる。富士電機によると、従来に比べて設置にかかるコストを約20%削減できるという。
図 従来品(左)に比べるとパワーコンディショナーの台数を減らせ、発電した電力を損失なしで蓄電池に充電できる(右)
出所 富士電機
太陽光発電モジュールから入力は直流1000V、1500kWに、蓄電池からの入力は直流800V、1500kWに対応し、交流出力は480V、1100kVA/1000kWに対応する。外形寸法は4860×900×1950mmで、本体重量は4700kg。
■リンク
富士電機