ソニックスは2017年3月23日、Bluetooth Low Energy(BLE)による通信機能を備えるIoT端末「FlipCast」を企業向けに発売した。価格は個別見積もり。FlipCastの最大の特徴は、電源を必要としないこと。小型の太陽光発電セルを搭載しており、これで発電した電力で無線通信をする機能を持つ。
図 ソニックスの「FlipCast」。太陽光発電セルで発電した電力で無線通信をする
出所 ソニックス
FlipCastの使い方はごく単純、ひっくり返すだけだ。例えば、FlipCastが表を向いているときは作業中で、裏を向いているときは作業していないので、問い合わせを受け付けられるという意思表示に使うことができる。FlipCast本体は加速度センサーとBluetooth Low Energyによる無線通信機能を内蔵しており、誰かがFlipCastをひっくり返したことを検知して、現在表を向いているのか、裏を向いているのかを示す情報をBLEで送出できる。
ひっくり返したら、その状態を無線通信で送出するだけと聞くと、役に立たないと見てしまう方もいるかもしれないが、2種類の状態のどちらであるかを伝えるという用途は日常生活やオフィスでも想定できる。例えば全従業員の机上にFlipCastを配置し、在席中は表を向けておき、席を離れるときは裏返すようにすれば、在籍確認ができる。しかも、FlipCastは表裏の情報をBLEで送信するので、その信号を拾って、グループウェアなどと連携させれば、離れた場所にいる従業員の在籍情報をグループウェアの画面で確認できる。
ほかにも、専門技術を持つ従業員に作業をお願いしたとき、作業終了時にFlipCastをひっくり返すように伝えておけば、作業者はひっくり返すだけで作業終了を知らせることができる。オフィスの複合機の横においておき、用紙が切れたらひっくり返すという使い方も考えられる。ひっくり返すだけで用紙補給の手配をしてもらえるようにするのだ。
FlipCastの本体外形寸法は50×24×7.6mm。消しゴムほどの大きさだから、卓上に置いても邪魔にはならない。FlipCast自身が発電して動作するので電池切れを心配する必要もない。「ひっくり返すだけ」と使い方は単純だが、アイデア次第で用途はいくらでも広がりそうだ。
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