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クラウドにつながる「ビールサーバー」は最高のビールを提供できるか? 実証実験実施へ

2017/04/06
(木)
SmartGridニューズレター編集部

NTTデータ、キリン、キリンビールは、飲食店にあるビールサーバーに流量センサーを設置し、ヒール消費省などを把握するシステムの実証実験を実施すると発表した。

NTTデータ、キリン、キリンビールは2017年4月5日、飲食店にあるビールディスペンサー(ビールサーバー)に流量センサーを設置し、ヒール消費量やビールサーバーの洗浄状況を把握するシステムの実証実験を実施すると発表した。実験期間は2017年4月5日~5月末日。都内を中心に、複数の飲食店のビールサーバーにセンサーを設置して運用する。

飲食店では、金属製の大きな樽に入ったビールを仕入れている。注文に応じてビールを出すときは、その樽にビールサーバーを接続し、ビールサーバーを操作してジョッキやグラスにビールを注ぐ。こうして説明してしまえば簡単なことに思えるかもしれないが、キリンは飲食店がビールを提供する過程に「ひと手間」を加えることで、ビールを最高の状態で提供できるとしている。

キリンは、最高のビールを提供するためのひと手間を「提供品質5カ条」としてまとめている。1つ目はビールディスペンサー(ビールサーバー)の正しい洗浄、2つ目は商品の鮮度管理、3つ目は適正な炭酸ガス圧力での抽出、4つ目はグラスの洗浄、5つ目は適切な注ぎ方となっている。今回の実証実験は、1つ目に挙げたビールサーバーの洗浄状態の確認と、2つ目に挙げた商品の鮮度管理を、センサーを使って実現しようというものだ。

具体的には、ビールサーバーに取り付けた流量センサーで、ビールサーバーに流れたものの流量を示すデータを検知し、クラウドのサーバーに送信して蓄積する。しかしこれだけでは、ビールが流れたのか、洗浄の過程で水が流れたのかが分からない。

そこで、NTTデータが開発した「状態検知ロジック」を利用する。このロジックで、流量を示すそれぞれのデータを解析し、ビール提供時にビールが流れたのか、洗浄時に水などが流れたのかをデータごとに判別し、データを分類する。こうして、ビール消費量とビールサーバーの洗浄状態をリアルタイムで計測できるようになる。

図 ビールサーバーに取り付けた流量センサーが検知した値を、エッジデバイス経由でクラウドに送信する

図 ビールサーバーに取り付けた流量センサーが検知した値を、エッジデバイス経由でクラウドに送信する

出所 NTTデータ

ビールサーバーの洗浄状態を把握することで、飲食店に洗浄すべき時期を知らせるなどのサポートが可能になる。また飲食店ごとのビールの消費量を把握することで、その飲食店が消費する量に合わせたサイズの樽でビールを提供することも可能になる。ちょうど使い切るくらいの量のビールを仕入れることで、飲食店は適正な鮮度管理ができるというわけだ。また、こうした活動の結果によって飲食店が提供するビールの味が良くなり、ビールの売上が向上するという効果も期待できる。

NTTデータとキリン、キリンビールは今後、ビールサーバーにセンサーを取り付けてビールサーバーの状態を監視するシステムを活用した新しい事業の可能性を探るとしている。


■リンク
NTTデータ
キリン

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