インフォテリアとCerevoは2017年4月17日、インフォテリアのIoTサーバー環境「Platio」と、Celevoの開発モジュール「BlueNinja」を組み合せた開発環境を18日から提供すると発表した。Platioは、カスタマイズ可能な「テンプレート」を組み合わせることで、IoTのサーバーアプリケーションの構築を可能にする環境。プログラムを作成する必要がないので、プログラミングの知識がなくても短時間でサーバーアプリケーションを構築できる(関連記事)。データを蓄積するデータベースのテーブルも、ユーザーが作成したアプリケーションに合わせて作成してくれるので、手間を掛けることなくIoTのサーバーアプリケーションを作成できる。
図 Platioで用意しているテンプレートの例
出所 インフォテリア
Celevoの開発モジュール「BlueNinja」は3軸加速度、3軸ジャイロ、3軸地磁気に対応したセンサーと、気圧センサーを備え、プロセサとして東芝の「TZ1001MBG」を搭載している。TZ1001MBGは、ARMの「ARM Cortex-M4F(48MHz)」マイコンコアを採用しており、加速度センサーなどが送ってくる検出値を処理する回路や、DSP(Digital Signal Processor)、浮動小数点演算ユニットを集積している。加えて、Bluetooth Low Energy(BLE)の通信機能も集積しており、センサーの検出値を処理してBLEで送り出すことが可能になっている。Celevoも、BlueNinjaについて「電源さえ確保できれば活動量計(歩数計)程度ならすぐに作れる」と語っている。
図 Celevoの開発モジュール「BlueNinja」
出所 Celevo
BlueNinjaは機器に組み込んで使用することを想定したものだが、簡単なサンプルプログラムを書き込んで、電源を供給するだけで単体でもセンサーデータをBLEで送出する機能を持つ。この機能をPlatio側でかんたんに扱えるようにすることが両社の狙いだ。
図 BlueNinjaのモジュール単体が送出するセンサーデータをPlatioで受信して、スマートフォンに表示させたところ
出所 インフォテリア
まずCelevoは、Platioとの接続に対応するBlueNinja向けファームウェアを配布する。このファームウェアを書き込んだBlueNinjaは、ごく簡単な操作でPlatioにつながるようになる。
そしてインフォテリアはBlueNinjaが提供する機能をまとめた「テンプレート」をPlatio上に用意する。これで、Platio上でテンプレートの設定変更と、ほかのテンプレートとの組み合せで、BlueNinjaを利用したIoTサーバーアプリケーションを作れるようになる。すでにPlatioを利用している企業にとっては、すぐにでも自社のシステムにBlueNinjaを組み込むことが可能になる。BlueNinjaを利用している企業には、BlueNinjaの機能を活用したサーバーアプリケーションをPlatioで簡単に作成できる。
インフォテリアとCerevoは、今回実現した開発環境のメリットとして、現場の業務プロセスや企業のニーズに合ったIoTシステムを企業自身が開発できるようになるという点、ソフトウェアやハードウェアのカスタマイズに必要なコストを大幅に削減できるという点、カスタマイズが必要になってもプログラムを作成する場合よりも短い時間で可能になるという点、そして何よりトライ&エラーを好きなだけ繰り返せるという点を挙げている。
インフォテリアとCelevoはそれぞれ、自社の製品の開発者に向けて、今回実現した開発環境のプロモーション活動を展開する。インフォテリアはPlatioのアプリケーション開発パートナーに対して、BlueNinjaを活用したアプリケーションの開発を勧める。Cerevoは、BlueNinjaをPlatioを組み合わせようと考える顧客に向けてコンサルティングサービスを提供する。