トヨタ自動車は2017年4月18日、同社の燃料電池車「MIRAI」を2台、中国に導入し、中国各地で実証実験を実施すると発表した。実証実験は10月に始まる予定。期間は2020年までのおよそ3年間。中国の環境における車両走行性能や中国で入手できる水素の品質、中国で走行させた燃料電池車の品質や耐久性を検証する。さらに、中国国内のイベントにMIRAIを展示するなどして、燃料電池車に対する消費者の見方を調査したり、消費者に対する訴求活動などに取り組み、燃料電池車に対する消費者の理解を深めることも目指す。
図 トヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI」
出所 トヨタ自動車
さらに、実証実験に合わせてトヨタ自動車が中国の江蘇省常熟市に設立した研究開発拠点Toyota Motor Engineering & Manufacturing(China)Co., Ltd(TMEC:トヨタ自動車研究開発センター(中国)有限会社)に水素ステーションを建設する。この水素ステーションは敷地面積280.2m2で、水素をボンベなどで運び込む「オフサイト式」となる予定。充填圧力はMIRAIにも対応できる70MPaだ。中国には現在、北京、上海、広州などの都市圏を中心に、5カ所の水素ステーションがあるが、江蘇省に水素ステーションができるのはこれが初めてとなる。
図 TMEC内に建設予定の水素ステーションの完成予想図
出所 トヨタ自動車
トヨタ自動車は今回の実証実験を通して、中国政府や関係業界と共同で水素自動車が活躍する「水素社会」の可能性を模索するとしている。また、数年以内に電気自動車を中国市場に投入することと、プラグインハイブリッド車を2018年に発売する計画を明かした。トヨタ自動車は2015年10月から、中国産のハイブリッドユニットを搭載したハイブリッド車「カローラハイブリッド」「レビンハイブリッド」を発売しており、2017年3月末時点で累計販売台数が9万台に達したという。2018年に発売予定のプラグインハイブリッド車は、カローラハイブリッド、レビンハイブリッドを基にしたものになる予定。
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