アメリカの太陽光発電モジュールメーカーであるSunPower社は2017年6月26日(現地時間)、州立カリフォルニア大学マーセド校に5MW(5000kW)の大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設すると発表した。
図 州立カリフォルニア大学マーセド校のキャンパス
出所 SunPower社
州立カリフォルニア大学マーセド校は「Triple Zero Commitment」という3つの野心的な目標を掲げている。1つ目は埋め立て処理になるゴミをゼロにすること。2つ目はCO2の排出量をゼロに近づけ、気候変動に影響を与えない規模に抑えること。3つ目はキャンパスで消費するエネルギーを自給自足し、化石燃料由来のエネルギー消費量をゼロにすることだ。同校はこの目標を2020年までに達成するという目標を掲げている。
今回導入するメガソーラーは、この目標を達成する上で重要な役目を担うことになる。太陽光発電モジュールは車庫や建物の屋根に分散して設置し、合計で出力を5MWとする。合わせて、アメリカStem社の出力500kWのリチウムイオン蓄電池も導入する。
Stem社は2017年5月にカリフォルニア州立大学ドミンゲスヒルズ校に大規模リチウムイオン蓄電池「PowerStore」を納入すると発表している。Stem社は電力供給契約を交わしている顧客に対して、電力消費量を統計学の手法で予測し、顧客が最も電力を消費する時間帯に電力系統からではなく、Stem社の蓄電池から電力を供給することで、電気料金を低減するというサービスを提供している(参考記事)。
今回設置する蓄電池付きの出力5MWのメガソーラーはキャンパスで消費する電力の半分以上をまかなえるという。また、Stem社の電力需要がピークを迎えたときに蓄電池からのみ電力を供給するサービスも利用することで、電力消費量の節減も図る。
州立カリフォルニア大学マーセド校は今回のメガソーラーをSunPower社とPower Purchase Agreement(電力購入契約)を締結することで導入する。メガソーラーはSunPower社が所有して、保守運営もSunPower社が担当し、発電した電力を販売する契約形態だ。マーセド校は、大きな初期投資なしでメガソーラーを導入できる。さらにマーセド校は、メガソーラーの出力に相当する分のグリーン電力証書(Renewable Energy Credits:RECs)を手にすることができる。3万台のガソリンエンジン車を25年に渡って排除し続けるのと同じ効果があると示す証書だ。
SunPower社は州立カリフォルニア大学のキャンパスにメガソーラーを導入している実績を持ち、現在でも各キャンパスで建設中にメガソーラーのうち70%以上に関わっているという。
■リンク
SunPower社