アメリカStemは2018年2月6日(太平洋標準時)、オフィスビル経営などを手がけているKilroy Realtyのオフィスビル8軒に大型蓄電池を設置すると発表した。具体的にはサンフランシスコのオフィスビル4軒とロサンゼルスのオフィスビル4軒に設置した。蓄電容量合計は7.5MWh(7500kWh)を超える。Stemは大学キャンパスに蓄電池を設置するなど(参考記事)、実績を伸ばしている。
図 Stemの大規模蓄電池「PowerStore」
出所 Stem
Stemの蓄電池はAI(Artificial Intelligence)で電力消費量、充電量、電力単価など様々な要素を合わせて分析する「Athena」という機能を備えている。Athena搭載の蓄電池は世界的なVPPネットワークを構成しており、近隣の地域で電力需要が逼迫しているときに、余裕があるなら充電しておいた電力を供給する。
さらに、AIによる分析で充電と放電の最適なタイミングを探り、蓄電池を制御して、電気料金を節約する。またAthenaは、使えば使うほどユーザーの電力使用パターンなどを学習し、電気料金を削減する新たなチャンスを見つける。AthenaはAIによる分析で、電気料金を削減する方法を探し続けるという。
またStemは2017年11月に日本に進出している。Stemに出資している三井物産と共同で、日本国内の複数の地点に蓄電池を設置し、試験的に運用する予定だ。すでに1基目の蓄電池は新和環境が埼玉県吉川市で運営している「埼玉リサイクルセンター」に設置した。Stemは経済産業省などに、デマンドレスポンスに対応する能力をアピールしたい考えだ。
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