アメリカ・ブリッジポート大学は2017年7月11日、同学の本部があるブリッジポートキャンパス(Bridgeport Campus)で続けていた大型燃料電池の設置工事が完了したと発表した。ブリッジポート大学(University of Bridgeport)はアメリカ・コネチカット州にある私立大学で、ロングアイランド湾沿岸に位置するブリッジポート(Bridgeport)市に本部を置くほか、そこから西に30kmほどの位置にスタンフォードキャンパス(Stamford Campus)、本部キャンパスから北北東に45kmほどの位置にウォーターバリーキャンパス(Waterbury Campus)を設置している総合大学だ。
図 ブリッジポートキャンパスへの設置工事が完了した大型燃料電池
出所 University of Bridgeport
この燃料電池はアメリカFuelCell Energy社が設置したもので、定格出力は1.4MW(1400kW)。天然ガスを改質して水素を取り出して発電する。通常時はキャンパス内に電力を供給するが、停電が発生したらそれを検知して自動的に独立運転を始める。独立運転時はキャンパス内にある「Marina Dining Hall」や「Wheeler Recreation Center」など一部の建物にのみ電力を供給し続ける。停電時に燃料電池が電力を供給し続ける建物は、学生だけでなく、地域住民の避難所として開放するという。
ブリッジポート大学は、今回の燃料電池を電力購入契約を締結することで、初期投資なしで導入した。FuelCell Energy社とは、年間で30万ドルの電力コスト削減が可能な内容で契約を結んだという。契約締結後に、大型燃料電池はアメリカの投資会社であるNRG Yield社が買収したが、FuelCell Energy社は引き続き燃料電池の運用とメンテナンスを担当する。
ブリッジポート大学の学長であるNeil Albert Salonen氏は、「燃料電池の設置工事完了を心待ちにしていた。大気を汚すことなく効率良く発電する燃料電池は、我が校の電力コストを大きく削減してくれるだけでなく、我が校の学生や自然環境を保護してくれると期待している。そして、災害時にはこの燃料電池の電力が届く建物を地域住民に開放することで、地域とのつながりが密接になるだろう」と語っている。