東北電力は、新仙台火力発電所3号系列の定格出力を980MWから1046MWに引き上げて、運用を開始したと発表した。
東北電力は2017年7月18日、新仙台火力発電所(宮城県仙台市宮城野区)3号系列の定格出力を980MW(98万kW)から1046MW(104万6000kW)に引き上げて、運用を開始したと発表した。新仙台火力発電所の3号系列は天然ガスを燃料とするガスタービンコンバインドサイクル発電施設であり、同発電所に現在存在する唯一の発電設備だ。
図 新仙台火力発電所の全体像
出所 東北電力
新仙台火力発電所は1971年8月に運転を開始した比較的古い発電所。開設当初は重油を燃料とする「1号機」だけが稼働していたが、1973年6月からは重油、原油、天然ガスを燃料とする「2号機」の運転も始まった。
しかし、重油や原油を燃料とする発電所はコスト効率が悪く、CO2排出量も多い。経年劣化による維持管理コストも無視できなくなっていた、そこで東北電力は2006年3月に仙台市に新仙台火力発電所の全面的な改築計画を提出し、2011年10月には2号機を、2015年9月には1号機をそれぞれ廃止とした。その後、2015年12月には新築した3号系列第1軸、2016年7月には3号系列第2軸の運転を始めている。
運転開始当初は、3号系列の第1軸、第2軸ともに定格出力を490MW(49万kW)としていた。2軸合計で980MWとなる計算だ。今回の出力引き上げは、運転開始から現在までの運転実績や性能試験の評価などを検証し、出力引き上げの余地があると判断して実施した。設備はまったく改修することなく、ガスタービンの出力制御プログラムを修正することで出力を引き上げた。プログラム修正前に比べておよそ6.7%出力を向上させることに成功した。
東北電力は今回の改修について、効率が高いガスタービンコンバインドサイクル発電設備をより活用することで、供給力を上積みし、コスト競争力向上を狙っているという。
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