デンマークMHI Vestas Offshore Wind社は2017年8月21日(現地時間)、カナダNorthland Power社から、風力発電設備を受注したと発表した。MHI Vestas Offshore Wind社は日本の三菱重工業とデンマークのVestas Wind Systemsが合弁で設立した企業だ。
今回受注した発電設備は、Northland Power社がドイツの北海洋上に建設を計画している「Deutsche Bucht」風力発電所に向けたもの。ドイツ沿岸に浮かぶ東フリースラント諸島の最西端にあるボルクム島から北西に95kmほどの位置に建設する予定。
図 「Deutsche Bucht」風力発電所の建設予定地点
出所 Northland Power社
MHI Vestas Offshore Wind社が今回受注した風力発電設備は「V164-8.0 MW」。定格出力は8MW、出力を高める「パワーモード」を利用することで最大出力は8.3MWとなる。2017年6月に同社が「V164-9.5MW」を発表するまでは、世界最大の出力を誇る風力発電設備だった。ヨーロッパの北海上にある数多くの洋上風力発電所が採用しているベストセラーとも言える製品だ。Deutsche Bucht風力発電所には31基納入する。
図 MHI Vestas Offshore Wind社の「V164-8.0 MW」
出所 MHI Vestas Offshore Wind社
発電所の最大出力は252MW(25万2000kW)。ドイツの一般的な世帯およそ17万8000世帯の需要を満たす電力を発電するという。World Energy Council(世界エネルギー会議)の2014年の調査によると、ドイツにおける1世帯あたりの年間電力消費量は平均で3079kWh。この数字をそのまま当てはめると、年間発電量はおよそ548GWh(5億4806万2000kW)ということになる。設備利用率を計算するとだいたい25%程度になる。
Northland Power社は、Deutsche Bucht風力発電所の建設を近日中に開始するとしている。商業運転開始は2019年末となる見込みだ。