KDDIは2017年8月30日、LTEカテゴリ1に対応する小型通信モジュール「SKM32」の提供を法人顧客を対象に開始した。モジュールの開発製造はセイコーソリューションズが担当している。現在、日本国内で流通しているカテゴリ1対応通信モジュールの中で、最も消費電力量が少ないとしている。
図 KDDIが提供を始めたLTEカテゴリ1通信モジュール「SKM32」
出所 KDDI
この製品は3G回線を利用したデータ通信機能を持つ機器に向けたもの。携帯電話通信事業者各社は、近い将来3Gの停波を計画しており、3G通信が使えなくなる日はいずれやって来る。その前に、LTEに移行してデータ通信機能を維持しようと考えるユーザーを狙っている。LTEに移行すると言っても、携帯電話と同じ仕様のLTEでは、機器間通信に使うには通信速度が早すぎる上、通信コストがかさむ。そこで、LTEの規格の中でも低速なカテゴリ1対応とし、通信コストを抑えた。
3Gからの移行を容易にするため、SKM32の形状はKDDIの3G通信モジュール「WM-M320」と同一になっている。より大きな通信モジュールとの入れ替えに備えて、樹脂製のブラケットを同こんする。SKM32をこのブラケットにはめ込めば、KDDIの3G通信モジュール「WM-M300」と同じ形状になる。
通信速度は下りが最大10Mビット/秒で、上りが最大5Mビット秒。データ送受信時の最大消費電力は630mAで、待ち受け時の消費電力は20mA。さらに、SKM32はKDDIが開発した省電力機構「RTCアラーム」を搭載する。この機構は、通信をしていない時に送受信回路への給電を止め、必要最低限の回路に絞って給電するもの。これを利用することで、待ち受け時の消費電力を5μAまで抑えることができる。1週間に1度、1Kバイトのデータを送信する使い方なら、単三電池2本(4000mAh)で10年以上動作するという。
SKM32で通信をする場合、KDDIが用意しているLTE通信モジュール向け料金プラン「LTEモジュールダブル定額」「LTEモジュールフラット」のどちらかを利用できる。KDDIは今後、3G回線からの乗換需要だけでなく、拡大を続けるIoTの世界に向けて、顧客の要望に合わせたサービスを提供していくとしている。
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KDDI