京セラは2017年8月31日、IoT端末向け無線通信規格「カテゴリM1」「NB-IoT」に対応する「IoTユニット」を開発したと発表した。携帯電話通信事業者各社は2017年度内にカテゴリM1やNB-IoTの商用通信サービスの提供を目指して、開発と実験を繰り返している。京セラは今回開発したIoTユニットを国内事業者に限らず、海外の事業者にも提供し、IoT端末向け通信ユニット事業の拡大を目指すとしている。
図 京セラが開発した「IoTユニット」
出所 京セラ
IoTユニットは、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)規格に準拠した汎用インタフェースを備え、様々な機器に接続できるようになっている。顧客が所有する機器や設備に接続すれば、その動作状況を示すデータをカテゴリM1やNB-IoTで送信できるようになる。
また、IoTユニットは温度、湿度、気圧、照度、加速度、角速度(ジャイロ)、地磁気、位置情報の合計8種類のデータを検出できるセンサーを内蔵している。さらに京セラは、IoTユニットが内蔵する各センサーの検出値を受信して、グラフなどの形に整形して表示するシステムをクラウド上に構築する。温湿度や照度などの環境データを無線通信で送信するシステムなどを企画したときの、試作やPoC(Proof of Concept:概念実証)にも活用できる。
図 IoTユニットで検出したデータを受信して、グラフなどの形にまとめるシステムも用意する
出所 京セラ
本体の外形寸法は約70×37×11mmで、重量は約41g(開発機の暫定値)。電源は内臓の蓄電池を利用する。蓄電池にはUSB端子を経由して充電する。位置情報はアメリカのGPS(Global Positioning System)と、ロシアのGLONASS(Global Navigation Satellite System)の2種類の衛星の電波を利用する。SIMカードはnano SIMに対応。消費電力についてはまだ開発中であるため、公開していない。
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京セラ