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日産自動車、東京モーターショウに「e-NV200」を基にした冷凍車を出展

2017/10/24
(火)
SmartGridニューズレター編集部

日産自動車は、「東京モーターショー2017」に電気自動車(EV)「e-NV200」を基にした冷凍車を出展することを明らかにした。

日産自動車は2017年10月19日、10月25日から11月5日に東京ビッグサイトで開催予定の「東京モーターショー2017」に電気自動車(EV)「e-NV200」を基にした冷凍車を出展することを明らかにした。

図 「e-NV200」を基にした冷凍車

図 「e-NV200」を基にした冷凍車

出所 日産自動車

現在一般的な冷凍車には、冷却装置の動力と走行のためのエンジンが直結している事が多い。この方式ではエンジンを止めて停車している間や駐車中にに冷却機能が止まり、庫内の商品の温度が上がってしまう。その自体を避けるため、冷凍車や冷蔵車では、停車して運転手が休憩している間も常にエンジンを動かし続ける必要がある。その結果、排気ガスを排出し続けるという問題がある。

運送物流業者は最近、この点を問題視するようになっており、例えばセブン-イレブン・ジャパンは三菱ふそうトラック・バスから導入する電気トラック「eCanter」に電気式冷蔵庫を搭載することを明らかにしている(参考記事)。電気トラックなら、冷蔵機や冷凍機を稼働させるエネルギー源が電気しかないので、冷やし続けるためにエンジンを動かし続けて排ガスを放出し続けるということがなくなる。

日産自動車が東京モーターショウに出展する車両は、蓄電容量24kWhのリチウムイオン蓄電池を搭載する現行の「e-NV200」。満充電状態から無充電で走行可能な距離は、日本の国土交通省の基準であるJC08モードで190km。出展する車両には、これに加えて冷凍機の電源として蓄電容量12kWhのリチウムイオン蓄電池を追加搭載した。これで、走行可能な距離に大きな影響を与えることなく、冷凍機を使える。この車両は、車両と完全に止める「キーオフ状態」でも冷凍機が動き続けるので、運ぶ品物の品質を高いレベルで確保しながら、自動車が消費するエネルギーを節約することができる。

日産自動車のヨーロッパ法人は10月2日に新型の「e-NV200」を発表している(日本では未発表:参考記事)。新型は、従来品が搭載している蓄電池とほぼ同じ大きさのものを搭載しながら、蓄電容量を24kWhから40kWhと大きく引き上げている。その結果、1回の充電で走行可能な距離が100km以上伸びている。この車両が登場すれば、冷蔵機のために追加搭載する12kWhの蓄電池が不要になる可能性もあるだろう。


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日産自動車

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