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Siemens Gamesa、ヨーロッパ最大規模281MWの陸上風力発電所に発電設備を供給へ

2017/11/01
(水)
SmartGridニューズレター編集部

スペインSiemens Gamesaは、建設計画中の陸上風力発電所「Nordlicht Onshore Wind Project」に発電設備を提供する契約を交わしたと発表した。

スペインSiemens Gamesaは2017年10月26日、ノルウェーの複数の企業が建設を計画している陸上風力発電所「Nordlicht Onshore Wind Project」に発電設備を提供する契約を交わしたと発表した。Siemens Gamesa社はドイツSiemens社がスペインの風力発電設備メーカーであるGamesa社を買収して、Siemens社の風力発電部門と統合して発足した企業。2017年4月3日からSiemens Gamesa社として活動を始めている。

発電所の建設予定地はノルウェー北部の町、トロムソ。この町にある2つの隣接する山岳に合計で67基の風力発電設備を並べる。Siemens Gamesaは、この発電所に「OptimaFlex」シリーズの「SWT-DD-130」を67基納入する。保守サービスや24時間365日の遠隔監視サービスも提供するとしている。

図 Siemensの風力発電設備。現在はSiemens Gamesaが引き継いでいる

図 Siemensの風力発電設備。現在はSiemens Gamesaが引き継いでいる

出所 Siemens

SWT-DD-130はSiemensから引き継いだ製品で、1基当たりの最大出力は4.2MW(4200kW)。発電所全体の合計出力は281.4MW(28万1400kW)に達する。年間発電量はノルウェーの一般世帯の年間電力消費量にしておよそ5万世帯分。World Energy Council(世界エネルギー会議)の2014年の調査によると、ノルウェーにおける1世帯あたりの年間電力消費量は平均で1万5324kWh。この数字をそのまま当てはめると、年間でおよそ766.2GWh(7億6620万kW)を発電するということになる。設備利用率を計算するとおよそ31%になる。

発電設備の納入はSiemens Gamesaが受け持つが、発電所から一般送電網に接続するための送電線や変電所などの設備はSiemensのEnergy Management Divisionが担当する。ちなみにこの発電所の最大の出資者はドイツのルトライン=ヴェストファーレン州のリッペ郡で働く医療従事者を対象とした退職年金基金で、ドイツでも最大規模の退職年金基金だという。そして、ドイツの投資会社Prime Capitalも出資している。Siemens Gamesaは今回の契約をPrime Capitalと締結している。さらに、SiemensのFinancial Services Divisionも出資しているという。発電所の商業運転は2019年夏に始まる予定。


■リンク
Siemens Gamesa

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