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UPS、ニューヨークを走る宅配車両をEVに転換へ―独自開発の技術でディーゼル車を改造

2017/11/14
(火)
SmartGridニューズレター編集部

アメリカの物流大手United Parcel Service)は、ニューヨーク市内を走行する宅配車両をディーゼルエンジン車から電気自動車に転換すると発表した。

アメリカの物流大手United Parcel Service(UPS)は2017年11月9日(アメリカ東海岸時間)、ニューヨーク市内を走行する宅配車両をディーゼルエンジン車から電気自動車に転換すると発表した。ハイブリッド車やEVの基盤を開発しているアメリカUnique Electric Solutionsの協力を得て、ディーゼルエンジン車をEVに改造するキットを開発し、それを利用して転換を進める予定だ。改造キットの研究開発のために、ニューヨーク州エネルギー研究開発機構(NYSERDA:New York State Energy Research and Development Authority)は50万ドル(5650万円:1ドル=113円で換算)を援助する。

図 ニューヨーク市内を走行するUPSの宅配車両。ディーゼルエンジンを搭載している

図 ニューヨーク市内を走行するUPSの宅配車両。ディーゼルエンジンを搭載している

出所 United Parcel Service

改造キットでは、出力225kW(約306PS)のスイッチトリラクタンスモータ(SRM:Switched Reluctance Motor)を採用する。SRMは一般的なハイブリッド車やEVが採用しているモーターと比べると構造が単純だが、低速回転時に回転が安定しないという欠点があった。しかし、コンピュータなどを活用した制御技術の進化により、この点は問題となくなりつつある。そして、永久磁石を使う必要がないため、磁力が強い永久磁石を作るために希少金属(レアアース)が必要なく、安価に製造できるという利点がある。UPSとUnique Electric Solutionsが共同で開発する改造キットは、既存のEVに比べて電力量当たりの走行距離を長くすることができるという。その結果、充電時間を短縮でき、エネルギーの利用効率を20%向上させることができるという。

UPSはEVに改造済みの車両を2018年春に投入することを予定している。さらにその後は1日に最大で3台のディーゼルエンジン車をEVに改造していく計画だ。計画が順調に進めば、2022年にはニューヨーク市内を最大で1500台の改造EVが走行することになる。これは、ニューヨーク市内を走行するUPSの配送車両のおよそ66%に当たるという。


■リンク
United Parcel Service
New York State Energy Research and Development Authority

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