NTTスマイルエナジーと柴田工業は2017年12月6日、公立学校に太陽光発電設備を無償で設置する活動を開始した。公立学校の多くが災害時の広域防災拠点の指定を受けているにも関わらず、停電に備えた自立運転の電源を備えていない点に着目した活動だ。
NTTスマイルエナジーによると、全国の公立小中学校への太陽光発電設備の普及率は25%未満にとどまっているという。要因としては自治体の予算不足、発電設備設置を検討する人員の不足、設置後の維持管理体制を作れないなどの点が挙げられるという。さらに、金融機関が小規模な発電設備建設を目的とした融資に消極的という事情もある。
今回の取り組みでは、NTTスマイルエナジーが太陽光発電設備に設置工事と運用に必要な資金を調達し、学校の屋上などに設置する。設備はNTTスマイルエナジーが所有する形を採る。学校は太陽光発電設備を設置する費用を負担することなく、屋上などの使用料をNTTスマイルエナジーから受け取れる。NTTスマイルエナジーは設置した太陽光発電設備で発電した電力を電力会社に売電し、運用費や利益を得る。そして、災害などの非常時は太陽光発電設備で発電した電力を施設内に供給し、非常時の自立電源として活用する。
柴田工業は学校への太陽光発電設備の設計、設置工事と運用保守を担当し、その代金をNTTスマイルエナジーから受け取る。ちなみに柴田工業は、これまでおよそ200の学校に太陽光発電設備を設置するなど、学校への太陽光発電設備施工の実績を重ねてきている。
図 学校に設置した太陽光発電設備はNTTスマイルエナジーが所有し、柴田工業に運用保守を依頼する
出所 NTTスマイルエナジー
NTTスマイルエナジーはまず、全国の自治体からの申込みを受け付け、2018年3月末までにそれぞれの自治体に太陽光発電設備設置について詳細に説明し、事業としての可能性を検討する。検討の結果、設置可能と判断した場所には順次設置を進めるとしている。
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