NTTスマイルエナジーは2017年6月1日、太陽光発電システムのO&M(Operation & Maintenance:運用保守)サービス「エコめがね見守りアラカルト」に新たなサービスを2種類追加し、提供を始めた。エコめがね見守りアラカルトはNTTスマイルエナジーが太陽光発電システムの販売業者や建設業者に向けて提供しているサービス。販売業者や建設業者が自社のO&Mサービスとして、NTTスマイルエナジーのサービスを提供する形を採る。
従来、エコめがね見守りアラカルトでは、太陽光発電システムに通信機能付きの電力センサーを取り付けて発電量を計測するサービスを基本サービスとして提供してきた。センサーの計測値はインターネット上のサーバーに送信し、販売業者や建設業者がWebブラウザでアクセスすることで、発電量の推移を確認できるようになっているほか、発電量の急な変化など、トラブルの可能性がある場合はメールで通知する。
このサービスを基本として、日々の発電量を遠隔監視し、異常発生時に原因切り分けを担当する「見守り代行アラカルト」や、発電量の推移などについてのレポートを月次、年次で施主に提供する「レポートアラカルト」、販売業者や建設業者に代わってO&M料金を代行回収する「料金請求代行アラカルト」、地域電力会社の出力制御指示に応じて、出力制御ユニットの運用スケジュールを自動更新する「つながるアラカルト(出力制御)」といったサービスを提供してきた。販売業者や建設業者など、このサービスを利用する業者は、これらのサービスの中から必要なものを選んで利用できる。
今回、NTTスマイルエナジーは以上のサービスに加えて、見守り代行アラカルトで太陽光発電設備の異常を検知したときに、現場に作業員を派遣して原因調査や復旧を目指す操作などを実施するサービス「駆けつけアラカルト」と、太陽光発電設備の保守点検を年に1回実施する「定期点検アラカルト」の2種類のサービスを追加して、提供を始めた。定期点検アラカルトで実施する年に1回の保守点検は、太陽光発電設備が安定して効率良く発電する状態を維持するために、2017年4月に改正となった「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律(改正FIT法)」が求めているものだ。
図 NTTスマイルエナジーがエコめがね見守りアラカルトで提供するサービスの一覧。今回は異常発生時に作業員を派遣するサービスと、年に1回の定期点検を代行するサービスを追加した
出所 NTTスマイルエナジー
改正FIT法が求める年に1回の定期点検代行サービスと、異常発生時に作業員を現場に派遣するサービスを追加したことで、太陽光発電設備のO&Mサービスとしては一通りサービスラインナップが揃った。NTTスマイルエナジーも、遠隔監視による見守りから現地におけるメンテナンス対応までを一貫してバックアップする体制ができたとしているが、「ほぼ」フルラインナップが揃った状態だとしている。NTTスマイルエナジーは、今回追加したサービスに加え、さらに顧客の利便を図るサービスの追加を検討しているという。そのため、「ほぼ」フルラインナップと表現しているそうだ。
改正FIT法の施行、固定価格買取制度における太陽光発電による電力買取価格低下など、日本では太陽光発電をとりまく環境は厳しくなりつつある。しかし、世界を見ると太陽光発電設備の普及がどんどん進んでいる。その結果太陽光発電による電力の価格が低下し、どの発電方法による電力よりも安くなっている地域もある。NTTスマイルエナジーが新たに提供するサービスが、太陽光発電設備のさらなる普及を後押しするものであることを願いたい。
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NTTスマイルエナジー