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KDDIら4社、LTE-Mをマンホール遠隔監視に利用する実証実験を実施

2017/12/21
(木)
SmartGridニューズレター編集部

KDDI、日立システムズ、トミス、イートラストの4社は、福島市水道局の協力を得て、福島市街地でLTE-M(Cat.M1)をマンホール遠隔監視に利用する実証実験を実施したと発表した。

KDDI、日立システムズ、トミス、イートラストの4社は2017年12月21日、福島市水道局の協力を得て、福島市街地でLTE-M(Cat.M1)をマンホール遠隔監視に利用する実証実験を2017年10月に実施したと発表した。実験の結果、基地局から2km以上離れたマンホールも遠隔監視可能だと確認した。

図 マンホールに試験用のLTE-M通信端末を取り付けているところ

図 マンホールに試験用のLTE-M通信端末を取り付けているところ

出所 トミス

今回の実証実験は、LTE-M技術の検証を目的としたものであり、本格的な監視システムを構築して稼働させたわけではない。しかし、基地局から2km以上離れたマンホールも遠隔監視できることを確認し、マンホール遠隔監視にLTE-Mを本格的に利用する見通しが立ったという。

LTE-M(Cat.M1)は携帯電話の通信方式の国際標準を定めている3GPP(Third Generation Partnership Project)が、2016年3月に発行した文書「3GPP Release 13」で標準化したもの。携帯電話の標準的な通信方式であるLTEを基に、通信速度を上り下りともに最大1Mbpsまで抑え、標準的なLTEでは20MHz幅の周波数帯域で通信するところを、この幅を1.4MHzまで狭めて、通信モジュールの消費電力と製造コスト削減を狙った方式だ。

この実証実験にも参加しているKDDIは、2018年1月から「KDDI IoTコネクト LPWA」の名称で、LTE-Mの通信サービスの提供を始めることを発表している(参考記事)。このサービスではLTE-Mに加えて、信号を受信したら長いスリープに入って消費電力を削減する「eDRX(extended Discontinuous Reception)」や、事前に設定した時間帯は、電波の探索を止める「PSM(Power Saving Mode)」といった機能も導入して、通信モジュールの消費電力量をさらに削減する計画を示している。

日立システムズ、トミス、イートラストの3社は2017年10月から、マンホールの蓋の開閉を検知する機能や、マンホール内の有毒ガス発生を検知するなどの機能を提供する「マンホールの防犯・安全対策ソリューション」を発売している。現在はLoRaWANやSigfoxといった、920MHz帯無線を使う通信技術を利用しているが、今後KDDIの「KDDI IoTコネクト LPWA」への対応を目指すとしている。


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