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カリフォルニア州のスキーリゾート、大規模蓄電池を活用するマイクログリッド構築計画を発表

2018/02/07
(水)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

スキーリゾートを運営しているSquaw Valley Alpine Meadowsは、スコーバレースキー場内に大規模蓄電池を設置し、周辺住民と商店、そしてスキー場をつなぐマイクログリッドを構築する構想を発表した。

カリフォルニア州のスキーリゾートを運営しているSquaw Valley Alpine Meadowsは2018年2月5日(太平洋標準時)、Squaw Valley(スコーバレー)スキー場内に大規模蓄電池を設置し、周辺住民と商店、そしてスキー場をつなぐマイクログリッドを構築する構想「Olympic Valley Microgrid Project」を発表した。ちなみにSquaw Valleyは、カリフォルニア州のシエラネバダ山脈にある盆地。ネバダ州国境にも近い。そして、1960年の第8回冬季オリンピックの会場だった。

図 スコーバレースキー場、山の中腹に大規模蓄電池を設置する計画だ

図 スコーバレースキー場、山の中腹に大規模蓄電池を設置する計画だ

出所 Squaw Valley Alpine Meadows

設置する蓄電池は出力8MWで、供給する業者はTesla。Teslaは同社の大規模定置型蓄電池「Powerpack」を供給するものと考えられる。すでに設置場所を探る調査を済ませており、山の中腹にある「Gold Coast」という施設のそばにある、資材置き場に設置すると決定している。Squaw Valley Alpine Meadowsは、大規模蓄電池を設置する土地を提供し、そこに送電業者であるLiberty Utilitiesが大規模蓄電池を設置し、運営とメンテナンスを担当する。大規模蓄電池はLiberty Utilitiesが所有する形になる。

大型蓄電池を中心にしたマイクログリッドを構成すると、3つの大きな効果が期待できる。1つ目は送電網の障害で停電が発生しても、近隣にある蓄電池から電力供給を受けられるという点。もう1つは、電力単価が安い時間帯に充電し、電力需要がピークに達し、電力単価が最高に達する時間帯に、蓄電池に充電しておいた電力を利用することで、電気料金を節約できるという点。

3つ目は、太陽光や風力などの発電量が不安定な再生可能エネルギーを導入しても、蓄電池が発電量の変動を吸収するため、安定して電力を利用できる点だ。Squaw Valley Alpine Meadowsは2018年中に施設で消費する電力を100%再生可能エネルギー由来のものに切り替える計画を発表している。

現在は、カリフォルニア公益事業委員会(CPUC:California Public Utilities Commission)と地元であるプレイサー郡の認可を待っている段階だ。認可が下り次第、建設を始める。


■リンク
Squaw Valley Alpine Meadows

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