東京電力フュエル&パワーと、東京電力ホールディングスは2018年2月7日、各種分析システムやセンサーなどを活用して、火力発電所運用支援サービスを提供すると発表した。国内そして東南アジアなどの海外の発電事業者にサービスを提供する。
両社はサービス提供を視野に入れて2015年から東京電力の火力発電所で各種技術と分析システムの効果を検証してきた。そして、2017年1月からは東京電力フュエル&パワーの社内に遠隔監視センターを設置して、試験運用を始めた。ここでは、クラウド基盤としてAmazon Web Servicesを利用し、データの蓄積、分析の基盤としてアメリカOSIsoftの「PI System」を、設備の監視と故障時期予測などの予兆管理にアメリカGeneral Electricの「Enterprise Impact」と、アメリカEngineering Consultants Groupの「Predict-IT」、熱効率の管理と改善にアメリカCurtiss-Wrightの「PEPSE」と「PMAX」を利用した。
図 遠隔監視センターの体制と役割
出所 東京電力ホールディングス
遠隔監視センターの試験運用を始め、常陸那珂火力発電所、千葉火力発電所、富津火力発電所、品川火力発電所の監視と運営支援を始めたところ、不具合発生の事前予想により、稼働率が改善し、不具合による停止件数を10~20%削減できたという。さらに、各発電所の発電設備1基当たり、年間で最大7000万円の燃料費を削減できた。この効果を確認し、2018年1月から遠隔監視センターの本格運用を開始した。
今回提供するサービスはこの実績とノウハウを活かして提供するものになる。国内外の発電事業者にサービスを提供することで、3年以内に年間50億円の売り上げを達成することを目指すとしている。また、引き続きIoTやAIなどの最先端技術の研究と、専門業者との提携を進め、発電事業者向けサービスを拡充していくとしている。