[ニュース]

楽天イーグルスのホームで東芝の水素供給システムが稼働開始、電光掲示板に電力を供給

2018/03/27
(火)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

東芝エネルギーシステムズは、宮城県から受注していた自立型水素エネルギー供給システム「H2One」を納入し、運転を始めたと発表した。

東芝エネルギーシステムズは2017年10月26日、宮城県から受注していた自立型水素エネルギー供給システム「H2One」を納入し、運転を始めたと発表した。設置場所は東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地である「楽天生命パーク宮城」のそば(宮城野原公園総合運動場内)。東北楽天ゴールデンイーグルスは、H2Oneの電源として新たに太陽光発電システムを設置したという。

図 「楽天生命パーク宮城」のそばに設置した「H2One」

図 「楽天生命パーク宮城」のそばに設置した「H2One」

出所 東芝エネルギーシステムズ

新たに設置したH2Oneの出力は3.5kW。1時間当たり1m3の水素を作り出す能力がある。H2Oneが発電した電力は球場内の電光掲示板に供給する。また、球場内で運営している地域ラジオ局「Rakuten. FM TOHOKU」もH2Oneから電力供給を受ける。災害などで電力会社からの電力供給が途絶えた時も、蓄積しておいた水素で電力を供給し続ける。電力は、災害情報を発信するためにラジオ局と電光掲示板、そして避難誘導のために球場内の照明、避難者の携帯電話充電に使用する。さらに、手洗いに温水を供給する。非常時に電力を供給できる時間は、ラジオ局のみに供給したとして72時間。

今回設置したH2Oneは、水素タンクに水素吸蔵合金を採用するなどの改良で、小型化に成功した。従来のH2Oneは、20フィートコンテナ3台に機器を格納していたが、今回のH2Oneは、1台に収まった。

これまでH2Oneは、東北電力の研究開発センター(参考記事)や、JR東日本武蔵溝ノ口駅(参考記事)などが導入している。今後も再生可能エネルギーの活用、そしてそれを利用して生成する水素の活用に向けて、H2Oneなどの普及を目指すとしている。


■リンク
東芝エネルギーシステムズ

TOPに戻る

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...