国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2018年3月30日、公開中の「洋上風況マップ」の改訂版を公開した。NEDOは2017年3月に国内では初めて、日本近海の洋上の風況情報をまとめた「洋上風況マップ」を公開している(参考記事)。これは日本ではまだ実験段階の浮体式洋上風力発電の大きな可能性を示すものだったが、今回の改訂では、実際に事業化が進んでいる海岸線付近の着床式洋上風力発電に向けた改訂が入った。
風況マップは、一定の面積の矩形に区切った区域ごとの風況を提示する。従来は、矩形の中に少しでも陸地が入っていると陸地と判定していたが、今回の改訂で、矩形の中に陸地と海が混在しているときは海と判定し、「陸地影響あり」という但し書きを付けるようになった。これで、着床式洋上風力発電の計画をより精密に見積もれるようになる。
図 従来の環境アセスメントの手順(上)と、NEDOが今回提案した環境アセスメントの手順(下)
出所 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
加えて、洋上風力発電設備建設の上で制約となる条件について、情報を追加した。具体的には海底の底質(さんご、貝殻、泥・粘土など)、航空制限区域、海上構造物、海底ケーブル、米軍関連施設、自衛隊関連施設、船舶通行量などの情報を追加した。
NEDOは、改訂版洋上風力マップの公開で、今後の洋上風力発電の導入拡大が進むことを期待しているという。