伊藤忠商事、九州電力、国際石油開発帝石の3社は2018年5月9日、インドネシアのスマトラ島北部に建設中の地熱発電所「サルーラ地熱発電所」が完成し、営業運転を始めたと発表した。伊藤忠商事、九州電力、国際石油開発帝石は、インドネシアの電力会社PT Medco Power Indonesia社と、地熱発電向け発電設備を開発販売しているアメリカOrmat Technologies社と共同でこの地熱発電所の開発プロジェクトに出資している。
図 完成し、商業運転を始めた地熱発電設備
出所 伊藤忠商事
サルーラ地熱発電所の建設は2014年5月に始まり、その後2017年3月には1号機が商業運転を始め(参考記事)、2017年10月には2号機が運転を始めていた。そして今回の3号機運転開始で、すべての施設が稼働を始めたことになる。発電した電力は30年にわたってインドネシア国有の電力会社であるPerusahaan Listrik Negara(PLN)社に売電する。
3機合計の出力はおよそ330MW(33万kW)。単一の契約に基づいて建設した地熱発電所としては世界最大のものになるという。そして、今回地熱発電所を建設したサルーラ地域には、地熱資源が開発可能な状態でさらに眠っているという。今後、サルーラ地熱発電所の拡張も検討するとしている。
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によると(JOGMEC資料「世界の地熱発電」)、インドネシアの地熱資源量はアメリカ(約39GW:3900万kW)に続く2位となっている。その資源量は約27GW(2700万kW)にも及ぶ。ちなみに第3位は日本で、その資源量はおよそ23GW(2300万kW)だ。4位がフィリピンで、その資源量が約(600万kW)であり、上位3カ国の地熱資源量が群を抜いている事が分かる。