スウェーデンの電力会社であるVattenfallは、ウェールズにある風力発電所に併設した蓄電施設「battery@pyc」が稼働を始めたと発表した。
スウェーデンの電力会社であるVattenfallは2018年5月18日(中央ヨーロッパ時間)、ウェールズにある風力発電所に併設した蓄電施設「battery@pyc」が稼働を始めたと発表した。Vattenfallが運営する風力発電所「Pen y Cymoedd Wind Farm」に併設したもので、風力発電所で発電した電力を吸収して、電力系統を安定させる目的で運転を始めた。発電所併設の蓄電施設としてはイギリス最大規模になるという。
図 蓄電施設に設置した蓄電池。物流コンテナに5つに電気自動車用蓄電池パックを詰め込んだ
出所 Vattenfall
この蓄電施設で使用する蓄電池は、BMWの小型電気自動車「BMW i3」用の蓄電池パックを利用したものだ。Vattenfallは500個の新品の蓄電池パックをBMW Groupから調達し、物流コンテナ5つに詰め込んで設置した。蓄電池パック1つ当たりの蓄電容量は33kWh。合計の蓄電容量は16.5MWh(1万6500kWh)。蓄電施設の合計出力は22MW(2万2000kW)となっている。
Pen y Cymoedd Wind Farmは2017年9月に運転を開始した風力発電所。76基の風力発電設備が稼働しており、合計出力は228MW(22万8000kW)。陸上風力発電所としては、ウェールズで最大の規模を誇る。年間発電量は、ウェールズの一般世帯の13%の電力需要に応える規模だという。そしてVattenfallは、この発電所が平均で年間30万トン以上のCO2削減効果を発揮するとしている。
■リンク
Vattenfall
関連記事
オランダAlfen社、BMWから供給を受けた新品の蓄電池パックを使って大規模蓄電施設を構築
2017年7月3日 0:00
再エネの主力電源化が進む風力発電の最新市場動向
2018年9月1日 0:00
Siemens Gamesa、2022年運転開始予定の世界最大の洋上風力発電所に発電設備を供給へ
2018年2月14日 0:00
イギリスの石油大手BP、サウスダコタ州で運営中の風力発電所にTeslaの定置型蓄電池を採用
2018年4月13日 0:00
アヤックスのホームスタジアムで、日産LEAFの蓄電池を利用した大規模蓄電システムが稼働
2018年6月29日 0:00
アメリカ・オクラホマ州で298MWの巨大風力発電所の建設が始まる
2017年5月17日 0:00