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オランダAlfen社、BMWから供給を受けた新品の蓄電池パックを使って大規模蓄電施設を構築

2017/07/03
(月)
SmartGridニューズレター編集部

オランダAlfen社は、オランダ・フレヴォラント州のゼーウォルデに建設中だった大規模蓄電施設が運転を始めたと発表した。

オランダAlfen社は2017年6月29日、オランダ・フレヴォラント州のゼーウォルデ(Zeewolde)に建設中だった大規模蓄電施設が運転を始めたと発表した。オランダNuon社が運営する大規模風力発電所「Prinses Alexia Windpark」に併設し、風力発電設備による発電量のムラを吸収することを目的としている。ちなみにNuon社はスウェーデンの電力事業者であるVattenfall社の子会社だ。

図 「Prinses Alexia Windpark」に併設した大規模蓄電施設

図 「Prinses Alexia Windpark」に併設した大規模蓄電施設

出所 Alfen社

Prinses Alexia Windparkの最大出力は122MW(12万2000kW)で、今回稼働を開始した蓄電施設は出力3MW(3000kW)。今後、出力を12MW(1万2000kW)まで拡張していくとしている。そしてこの蓄電池施設は、BMWから供給を受けた新品の蓄電池パックを使って構成したものだ。この蓄電池パックは1つ当たりの蓄電容量が33kWhで、BMWの電気自動車「BMW i3」が搭載している蓄電池パックと同じものだ。3月14日には、Vattenfall社がBMWから新品の蓄電池パック1000個を購入する契約を締結しており、その用途としてVattenfall社はPrinses Alexia Windparkの出力変動の吸収を挙げていた(Vattenfall社のプレスリリース)。

この蓄電池パックは単にリチウムイオン蓄電池を組み合わせただけのものではなく、入出力電流や各セルの電圧や温度を監視し、過放電や過充電を防ぐ管理システムを搭載している。このシステムはBMWが開発したものだ。また、容易に拡張が可能なモジュラー構成となっている。

Alfen社は、風力発電所の出力吸収だけでなく、他の用途にもこの蓄電池を活用する構想を描いている。住宅地の中でも、太陽光発電システムを備える住宅に蓄電池を設置していくという計画だ。昼に太陽光発電システムが発電した電力を蓄電池に充電し、夜間には蓄電池から電気自動車に充電可能とする計画だ。


■リンク
Alfen社

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