村田製作所は2018年7月30日、一般車両に搭載できる路面状況検知システムを開発していることを発表した。一般車両に搭載して走行するだけで路面の状況を把握できるシステムだ。すでに7月から京都府宇治市でこのシステムの実証実験を開始している、
図 村田製作所が開発中の路面状況検知システム。一般車両に搭載して走行するだけで路面の状況を把握できる
出所 経済産業省
このシステムは、ジャイロセンサー、加速度センサー、ショックセンサー、マイクなど各種センサーを内蔵しており、無線通信でセンサーデータをクラウドに送信する。クラウド側でセンサーが検知したデータを分析して、路面状況を診断する。診断結果は地図画面に重ねて、劣化が進んでいる部分がひと目で分かるように表示できる。
橋梁や道路、トンネルの維持管理は自治体にとって大きな負担になりつつある。現在は担当者が路面を直接観察して劣化度合いを判断しているが、この方法では時間も費用もかかりすぎてしまう。国土交通相の試算によると、日本全国の自治体が、道路などの維持管理と修繕に合計で約3.6兆円を費やしており、この費用は10年後には約4.3~5.1兆円、20年後には約4.6~5.5兆円まで膨らむという。
村田製作所は今回開発しているシステムを活用することで、道路の劣化度合いを診断する作業の簡素化と低コスト化が可能になると見ている。また今後は降雪時や出水時など悪天候時になると現れる道路の欠陥検知にもこのシステムで対応する予定だ。
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村田製作所