丸紅は2018年8月31日、ケニア発電公社から地熱発電所の設計、調達、建設まで一括で受注したと発表した。また、富士電機はこの発電所に向けた地熱発電設備一式を受注したと発表している。丸紅、富士電機ともに、今回の建設計画がアフリカで初の地熱発電所建設計画になるという。
図 地熱発電所「オルカリアⅠ地熱発電所」の所在地
出所 富士電機
今回は、既設の地熱発電所に発電設備を追加する。発電所はケニアの首都ナイロビから北西約120kmの位置にある「オルカリアⅠ地熱発電所」。1981年に運転を開始したケニア初の地熱発電所だ。現在は1号機~5号機の5基で合計およそ185MW(18万5000kW)を発電している。新設の「6号機」は出力約70MW(7万kW)で、2021年に運転開始の予定となっている。
地熱発電にはCO2排出量が少ない再生可能エネルギーを利用しており、天候や時間帯に関係なく安定して発電を続けるという特徴がある。ケニアでは地熱発電の電力は総発電量の43%を占め、「ベースロード電源」となっている。
そしてケニアでは、ピーク時の電力需要が毎年平均でおよそ5%ずつ成長している。ケニア政府は長期開発戦略「ケニア・ビジョン2030」で、国内の地熱発電設備の合計出力を2030年までに5GW(5000MW:500万kW)まで増大させる目標を掲げており、丸紅、富士電機ともに、今後もケニアでは地熱発電所の需要が拡大すると見ている。さらに、ケニア周辺にあるエチオピアやジプチなどの国でも地熱発電所の建設を計画する動きがあるという。