川崎重工業は2018年8月20日、鹿島南共同発電株式会社からガスタービンコンバインドサイクル発電設備の建設工事を受注したと発表した。川崎重工業はこの工事で、プラント全体の設計、ガスタービン、蒸気タービン、排熱回収ボイラの供給、据付、土木建築と、すべての業務を受注した。鹿島南共同発電は、茨城県の鹿島港そばに広がる鹿島臨海工業地帯で合計6基の火力発電設備を運営し、周辺の工場に電気と蒸気を供給している。
図 鹿島南共同発電の周囲にはさまざまな企業の工場が密集している
出所 鹿島南共同発電
川崎重工業が今回受注した発電設備は、3基のガスタービンと1基の蒸気タービンで発電するガスタービンコンバインドサイクル発電設備。ガスタービンには川崎重工業の製品としては最大の出力を誇る「L30A」を使用する。ガスタービン1基当たりの発電出力は30MW(3万kW)以上で、3基合計の出力は97MW(9万7000kW)となる。蒸気タービンの発電出力は10MW(1万kW)で、発電設備の合計出力は107MW(10万7000kW)となる予定だ。運転開始は2020年夏ごろを予定している。
川崎重工業によると、既存の天然ガスに加えて、シェールガスの産出・供給国が増加し、ガス火力発電所の需要が大きくなっているという。特に、急速な経済発展を続ける東南アジアでの需要増加が大きいとしている。また、ガスタービンコンバインドサイクル発電設備は発電効率が高い上、運転状態を制御して発電出力を上下させる際に、柔軟に反応することから、発電出力が不安定な再生可能エネルギー発電設備に対応しやすいという。ちなみに川崎重工業はガスタービンコンバインドサイクル発電設備で、55.2%と世界最高水準の発電効率を達成している。
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川崎重工業