北海道電力は2018年10月6日、新たに建設中の「石狩湾新港発電所」1号機の試運転を始めたと発表した。北海道電力の火力発電所は石炭や石油を燃料とするものしかなく、同社最大規模の火力発電所である「苫東厚真発電所(合計出力:1.65GW=165万kW)」の燃料も石炭だ。石狩湾新港発電所は、北海道電力としては初めてのLNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)を燃料とするガスタービンコンバインドサイクル発電所となる。
図 建設中の石狩湾新港発電所の全景
出所 北海道電力
石狩湾新港発電所は小樽市の石狩湾沿岸に建設中。発電設備を3基建設する予定で、運転開始予定は、1号機が2019年2月、2号機は2026年12月、3号機は2030年12月となっている。発電出力は3機とも569.4MW(56万9400kW)で、3機合計で1.7082GW(170万8200kW)と、苫東厚真発電所を超える規模になる。
北海道電力は今後、ガスタービンなど各機器の動作を確認し、10月中旬から発電を始める予定。その後は発電出力を引き上げながら、各種試験や検査と総合試運転を実施するとしている。
ただ、北海道電力管内では9月6日に発生した北海道胆振東部地震と、それに伴う発電設備の損傷によって、電力不足が続いている。これから寒さが厳しい冬季を迎え、電力需要が増大することから、北海道電力は石狩湾新港発電所1号機の総合試運転を前倒しして、電力供給源として活用することを検討している。
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北海道電力